子宮鏡検査が必要と言われたら!検査前につけておきたい基礎知識

子宮鏡検査が必要と言われたら!検査前につけておきたい基礎知識
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子宮の病変や構造の異常が疑われる場合、まず最初に「超音波検査」や「子宮卵管造影検査」などが行われます。

ですが、これらの検査で異常が見つからないにも関わらず症状が治まらない、という時に適応されるのが「子宮鏡検査」なんです。

子宮鏡検査では、子宮の内部にカメラ付きの医療器具を挿入し、画像で状態を確認する事が出来ます。

超音波検査などで見落としていた病変が見つかる事も多く、病巣の広がりまで確認する事ができるんです。

また、子宮内の病変や構造異常は、不妊や繰り返す流産の原因になっている事も少なくありません。

その為、「なぜ妊娠できないのか?」「なぜ流産してしまうのか?」と悩んでいる女性にとって、大きな助けになってくれる検査としても知られています。

子宮鏡検査を受ける前に、具体的な手順や痛みの程度、適切な時期や費用などを把握して、万全な状態で検査に臨みましょう。

子宮鏡検査って何をするの?検査の手順は?

子宮鏡検査とは、膣から子宮の内部に内視鏡を挿入し、患部の状態を観察する検査です。

使われる内視鏡は「硬性鏡」と「軟性鏡」がありますが、ここではよりポピュラーな軟性鏡(ファイバースコープ)を使った検査方法をご紹介しましょう。

ファイバースコープを使った子宮鏡検査は、入院の必要がなく外来で行われるのが一般的です。まず膣内と子宮頚部(子宮の入り口)を消毒し、先端にカメラが付いたファイバースコープを挿入します。

子宮内に生理食塩水を流しながら、子宮頚管→子宮内腔→子宮の内腔→卵管口→子宮頚管へとカメラを進めていきます。

検査中は、カメラから送信された画像がモニターに映し出され、医師の説明を聞く事も可能です。

検査の所要時間は、病院によって多少の差はあるものの、5分~30分というのが一般的です。検査中に何らかの病変が見つかった場合は、日を改めて治療が行われます。

子宮鏡検査で何が分かるの?

子宮鏡検査を行うことで、子宮内膜ポリープや子宮筋腫の有無、子宮奇形や癒着の状態を明確する事ができます。

これに加えて、女性ならではの「トラブルの原因」を突き止めるのにも役立つ検査なんです。

  • 不妊の原因:子宮内膜ポリープなどの病変や構造異常など
  • 繰り返す流産の原因:子宮奇形や大きな子宮粘膜下筋腫など
もちろん、子宮鏡検査を受けたからと言って、原因の全てが解明するわけではありませんが、より詳細な状態を把握できる事は間違いありません。

ちなみに上記の項目以外にも、不正性器出血の原因を探る方法としても定評があります。

検査前検査は必要なの?

子宮鏡検査の検査前検査は、全ての患者さんに対して必須という訳ではありません。病院の方針や患者さんの病歴によって、必要と判断された時に行われます。

  • 血液一般検査
  • 梅毒やHIVなどの感染症検査
  • 腟分泌物培養
  • 子宮頸管クラミジア
  • 妊娠検査

子宮鏡検査は、子宮の内部に医療機器を挿入して行う検査です。

つまり、妊娠していない事が子宮鏡検査を受ける前提条件となります。

当日の注意点は?食事制限や服装は?

病院で受ける検査の中には、「前日から安静を心掛けて下さい!」「当日の飲食は控えて下さい!」などの条件が付き物ですよね。

ですが、外来で受ける子宮鏡検査に対して食事や飲水の制限はありませんし、とりたてて安静の必要もありません。

但し、病院によっては「検査の3時間前には食事を済ませて下さい!」、「検査前の食事は軽めにして下さい!」という指示が出される事もあります。
検査前に病院から貰う資料で確認するか、直接スタッフに質問してみましょう。

服装については、特別な指定や注意事項はありません。強いて言えば、検査着に着替える必要がありますので、スカートの方がスムーズに着替えられるでしょう。

どんな器具が使われるの?

子宮鏡検査に欠かせないのが、主役である内視鏡です。胃カメラの原理と同様に管の先端にカメラが装着されており、これによって子宮の内部を直接観察します。

まずは、検査に使用される2種類の内視鏡について、その違いをご説明しましょう。

  • 硬性鏡・・・やや操作性に難点があるものの、画像解像度が優れている
  • 軟性鏡・・・画像鮮明度が劣るものの、操作性が優れている

元々は、画像解像度の高い「硬性鏡」を使用するのが一般的でした。ですが、子宮内部で曲げにくく太さもある事から、子宮頸管を拡張させるのが困難、検査中の痛みコントロールが難しいという問題点が指摘されていました。

これらの問題点を考慮して開発されたのが、現在主流となっている「柔性鏡(ファイバースコープ)」なんです。

中でも、多くの産科医から支持されているのが、「ヒステロファイバースコープ」という内視鏡です。

直径が約3mmという細さもさることながら、非常に柔軟性が高く操作性に優れているのが特徴。これにより、麻酔や頸管拡張なしに短時間の検査が可能となりました。

こうした現状から、子宮鏡検査を「ヒステロ」と表現する産科医も少なくありません。

子宮鏡検査の痛みは?麻酔は必要なの?

近年主流となっているヒステロファイバースコープを用いた検査は、ほとんど痛みを感じないのが大きなメリットとされています。

その為、麻酔や入院の必要もなく外来で安全に行えるのが最大の魅力と言えるでしょう。

但し、高齢者や出産経験のない女性の場合、膣や子宮の入り口が硬く痛みを感じる事があるようです。

検査中に痛みを訴える患者さんや膣の牽引が必要な患者さんに対しては、ペンタゾシンやインドメサシン座薬などの鎮痛鎮静剤が使用される場合もあります。

婦人科系の検査は、どうしても緊張してしまいますので、力む事で痛みが増すとも考えられています。

子宮鏡検査を行っている間は、会話をしながら患者さんの緊張を解そうと気を配ってくれる医師も少なくありません。あまり緊張し過ぎず、リラックスした状態で検査を受けましょう。

ちなみに、極端に痛みに弱く自ら麻酔を希望する患者さんもいます。全ての病院が希望を受け入れてくれるとは限りませんが、事前に相談してみると良いでしょう。

子宮鏡検査が終わった後は?運転や仕事への影響は?

最近の子宮鏡検査は、痛みが軽く麻酔を使用せずに行うのが一般的です。その為、検査が終わった直後に食事を摂る事も出来ますし、自分で運転して職場へ直行する事も出来ます。

但し、検査が終わった後に3時間~4時間ほど経過を観察し、意識障害などの有無を確認する産院もあります。検査中に何らかのトラブルがあった場合や、心理的な負担を考慮するという意味も含まれているのでしょう。検査の後に予定がある場合は、子宮鏡検査を受ける前に確認しておくと安心ですよ。

また、検査後に少量の出血が数日続くというケースも報告されています。基本的にシャワーの制限はありませんが、入浴やセックスはしばらく控えて方が良いでしょう。

子宮鏡検査の最適な時期は?生理中でも受けられるの?

閉経前の女性は、検査を受ける時期によって精度が異なります。それは、子宮内膜の状態が影響するからです。場合によっては、せっかく受けた検査が中止される事もあるので注意が必要です。

▼閉経前の女性

  • 生理中/排卵期/黄体期:子宮内膜が厚く子宮の状態が確認しづらい
  • 生理終了直後/月経終了後の低温期:子宮内膜が排出され子宮内部がよく見える
つまり、閉経前の女性が子宮鏡検査を受けるベストな時期は、「生理終了直後」や「月経終了後の低温期」となります。

生理が始まってから、5日目~10日目を目安と考えると分かりやすいでしょう。生理が始まった頃に検査の予約を入れて、生理が終わる予定日を伝えておくと安心ですよ。

▼閉経後の女性
閉経後の女性は、子宮内膜が発生しません。その為、不正出血さえなければ何時でも検査を受ける事が出来ます。

途中で検査が中止になる事ってあるの?

「婦人科の検査は苦手!」「出来れば受けたくない!」という女性も多いでしょう。ところが、せっかく意を決して受けた子宮鏡検査も、途中で中止になる場合があります。

▼子宮鏡検査が途中で中止になるケース

  • 検査中に大量の出血が見られる場合
  • 時期が適さず、子宮の内部が見えにくい場合
  • 子宮口が堅く、医療器具の挿入が困難な場合
  • 体質的に子宮口が狭く、医療器具の挿入が困難な場合

特に、高齢者や未産婦の場合、子宮口が堅く痛みを伴う場合があります。病院によっては鎮痛鎮静剤を適応する産院もありますが、医師の判断によって中止される事も少なくありません。

他の検査とまとめて出来ないの?

その人の症状や疑われる病変の種類によっては、複数の検査を同時に行う事も可能です。

一般的に、子宮鏡検査と腹腔鏡検査、卵管鏡検査をまとめて行う事を、トリプルスコープ検査(総合内視鏡検査)と言い、一般不妊検査だけでは不十分と判断された患者さん向けの検査として知られています。

まとめて受けられるというメリットはあるものの、腹腔鏡検査を同時に行う場合は麻酔が必要となり、どの病院でも受けられるという検査ではありません。

トリプルスコープ検査を希望する場合は、受けられるかどうか担当の医師に確認してみましょう。

子宮鏡検査にリスクはないの?

子宮鏡検査は、麻酔なしで行えるほど痛みが少なく、外来で手軽に受けられる安全な検査です。とはいえ、稀に下記のようなリスクが伴うことがあります。

通常、検査の前には担当医から説明がありますが、不安な点は遠慮なく質問してみましょう。

子宮穿孔(しきゅうせんこう)

子宮鏡検査のリスクとして代表的なのが、子宮壁に穴が空いてしまう「子宮穿孔」と言えるでしょう。

子宮壁が薄くなっている人に多く、子宮内で器具を動かした拍子に起こってしまうトラブルです。

とはいえ、わずか0.1%未満の確率ですから、極めて稀なケースとされています。

感染症

感染予防として、使われる器具はもちろん膣や子宮口を消毒してから検査がスタートします。

加えて、検査後には抗生物質を用いた予防策もとられますので、感染症が発症する確率は決して高くはありません。

ですが、わずか0.1%程度という確率で炎症を起こしてしまうケースが報告されています。

検査後の感染症が重度の場合は、入院治療が必要となることもありますので注意が必要です。

腹痛や出血

子宮内に医療器具を直接挿入するため、周辺組織が傷ついてしまう事があります。

人によっては、軽度な腹痛や出血を伴うケースもありますが、少量の出血であれば数日で自然に治癒します。

万が一、出血の量が多く長期間に渡って続くようであれば、検査した病院に相談してみましょう。

子宮鏡検査の費用は?保険適応?それとも自費?

子宮鏡検査は、全てのケースに保険が適応される訳ではありません。

ここでは、保険が適応される場合とされない場合の違いや、それぞれの費用についてご紹介しましょう。

保険が適応される子宮鏡検査

何等かの病変がある、もしくは疑われるため検査が必要と医師が判断した場合は、保険が適応されます。

保険適応の場合、病院によって多少の差はあるものの、3,000円~6,000円程度と考えておけば問題ないでしょう。

自費となる子宮鏡検査

医師が、医学的に検査が必要と判断したのではなく、患者本人の希望で子宮鏡検査を行う場合は、保険が適応されません。

子宮鏡検査を自費で行う場合は、10,000円~20,000円ほどが相場と言われています。

ちなみに、不妊の原因追究のために子宮鏡検査を受ける人の中には、「選択的卵管通水検査」を同時に希望する女性も少なくありません。

この場合の相場は、片側で約30,000円、両側で約60,000万円と高額ではありますが、子宮鏡検査の代金も含まれるのが一般的です。

検査費用の注意点

最近では、感染予防の観点からカメラ以外は使い捨ての器具を使用する病院も多く、器具代金として3,000円程度の費用が上乗せされることもあります。

検査費用は、余裕を持って用意しておきましょう。

子宮鏡検査で妊娠出来るようになるってホント?

巷では、「子宮鏡検査の後に妊娠した!」という体験談が溢れていますが、これはある種の誤解です。

不妊の女性が子宮鏡検査を受ける場合、子宮卵管造影の治療に似た効果がある「選択的卵管通水検査」を同時に受ける事が出来ます。検査によって通りを妨げていた異物が流され、卵管の通りが改善されて妊娠に至る、というのが実情です。

しかし、子宮鏡検査というのは、不妊治療の為だけに行う検査ではありませんので、「子宮鏡検査=卵管閉塞に対する治療」という解釈は間違ったイメージと言えるでしょう。

もちろん、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの検査として受けた人が、検査後に妊娠しやすい体質に変化するという事もありません。

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