乳腺炎の初期症状を見逃すな!慢性化するのを防ぐために出来ること

乳腺炎の初期症状を見逃すな!慢性化するのを防ぐために出来ること
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出産が終わってホッとしたのも束の間。

赤ちゃんがなかなか母乳を飲んでくれない、体が疲れていてもしっかりと睡眠がとれないなど、慌ただしく育児が始まり、気づかぬうちに疲労やストレスを感じてしまう事もあります。

こんな時に気をつけたいのが「乳腺炎(にゅうせんえん)」です。

妊婦さんの多くが経験し、悪化すると「陣痛よりも痛い」という人がいるほど、辛い痛みを伴い、重症化した場合には切開が必要になります。

ただでさえ大変な育児中に、乳腺炎の痛みでママ達の体と心にダメージとストレスを与えてしまわないよう、

  • 乳腺炎にならないように注意すべき事
  • 乳腺炎が悪化しないようにするにはどうしたら良いのか

これらを見ていきましょう。

赤ちゃんとママにとって大切なおっぱいが「乳腺炎」を引き起こす理由

母乳には赤ちゃんを育てる為にたくさんの栄養が含まれ、母乳を飲む事で赤ちゃんが病気に打ち勝つ為の免疫力も高まるとされています。

また、母乳は赤ちゃんだけに良いのではなく、ママの産後の体の回復力を高めてくれる効果もあり、母乳をあげる事は赤ちゃんにとってもママにとっても大切な事なのです。

良い事だらけの母乳ですが、赤ちゃんがあまり飲んでくれない場合、母乳が乳腺につまって炎症を起こし、痛みや体調不良により育児に追われるママをさらに悩ませてしまう原因の1つにつながる事もあります。

妊婦さんの4分の1は「乳腺炎」を経験する!乳腺症の症状

乳腺炎は、どんどん作られる母乳に対して赤ちゃんが飲んでくれない、飲む量が少ないなどの理由から、母乳が乳腺につまってしまい炎症が起きる事で

  • 胸が赤く腫れて痛みを伴う
  • しこりができて触ると痛い
  • 微熱や高熱などの発熱、寒気がする

などの症状が現れます。

乳腺炎を経験した事のある妊婦さんのほとんどが、生後1ヶ月以降の赤ちゃんに母乳を飲ませている期間に起こり、妊婦さん全体の約4分の1の割合で発症するとされています。

辛い痛みや高熱を伴う乳腺炎には、前ぶれがある事が多く

  • なんだか胸がチクチクと痛む
  • 胸の一部に硬いしこりがある
  • 乳頭に白い塊ができている

など、いつもと違う胸の変化が乳腺炎の始まりであり、乳腺炎かもしれないと気づくきっかけになると言われます。

また、乳腺炎になった人の約5%が重症化してしまうと言われており、重症化した場合には炎症により、たまってしまった膿を切開手術で排出するなどの処置が必要になります。

乳腺炎はいつ起こるかわからない、しかもママ達の誰もが乳腺炎になる可能性を持っているので、決して他人事ではありません。

乳腺ってどこの部分を言うの?

よく女性の胸は脂肪と筋肉で作られている、と言われる事もありますが実はもっと複雑で

  • 母乳を作る為に必要な「乳腺」
  • 乳腺を支え保護する為の「脂肪組織」
  • 乳腺を皮膚や筋肉につなぐコラーゲン線維の束「クーパー靭帯」
  • 作られた母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」
  • 乳頭

から成り立ち、これらを大胸筋という筋肉が支えています。

さらに乳腺について詳しく説明すると、お医者様や私達が普段、「乳腺」と呼んでいるものは、実はいくつかの組織が集まったものの総称で、よくぶどうの房に例えて表現されています。

まず、母乳を作り出す為に必要な袋状の細胞があり、これを「腺房(せんぼう)」といいます。

この腺房をぶどうの粒だと思ってください。

この袋状の腺房が約10個から100個ほど集まったものは「小葉(しょうよう)」と呼ばれ、さらに小葉が多数集まったものを「腺葉(せんよう)」といいます。

成人女性の場合、腺葉は約15個から20個ほどあるとされ、それぞれの腺葉は母乳を乳頭に運ぶための「乳管」を持ち、出口である乳頭にたどり着く直前に、母乳を貯蓄するための「乳管洞」があります。

腺房が集まってできている小葉はぶどうの房、乳管はぶどうの枝、と考えると構造がイメージしやすいかもしれません。

これが乳頭を中心に約15本から20本ほど放射状に並んでいるとされ、一般的にはこれらの乳腺組織を総称して「乳腺」と呼んでいます。

乳腺の働きには女性ホルモンが関係している

「生理前になると胸が張る」という経験はありませんか?実はこれにも乳腺が大きく関係しているのです。

乳腺は卵巣から出される2種類の女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンの刺激により、乳腺組織が増殖したり発達したりしています。

エストロゲンの主な働きとして、作られた母乳を乳頭まで運ぶ為の乳管を発達させ、腺葉と腺葉の間にある繊維性の結合組織や脂肪などの「間質(かんしつ)」と呼ばれる部分を増やすと言われています。

一方のプロゲステロンは、母乳を作る場所である腺房を増やし発達させるとされ、この2つのホルモンの働きや変動により、乳腺の状態が変わってきます。

生理周期により、体は妊娠しやすいような状態にする為の準備を始めますが、この時に2つの女性ホルモンが増える事で、乳管の発達や間質、腺房の増加につながり胸の体積が増えます。

さらに間質に含まれる血管がホルモンの影響で拡張する事で、胸の張りを感じるようになり、人によっては痛みが出る事もあります。

しかし、女性ホルモンは20代後半から30代にかけて徐々に分泌量が減少していくといわれ、40代では大幅な減少がみられ、女性ホルモンが減少すると乳腺組織が徐々に萎縮し始めて脂肪に置きかわります。

脂肪に置きかわる事で胸が柔らかくなり、乳腺組織は萎縮し始める事で硬くなるので、その硬さを「しこり」と感じる人や、痛みを感じる人が多くなります。

乳腺炎は母乳の詰まりだけが原因ではない!生活習慣を見直してみよう

乳腺炎は、母乳の詰まりが原因で、出産して間もなくの女性がなるものというイメージがありますが、実は他にも細菌が原因で起こる乳腺炎もあるのです。

乳腺炎には母乳が乳管につまる事で炎症が起きてしまう「急性うっ滞性乳腺炎」と、乳腺内に細菌が入り込む事で炎症が起きる「化膿性乳腺炎」があります。

授乳中は和食やお茶を中心!菜食中心の食生活を心がけよう

疲れた時に甘いものが食べたくなったり、つい高カロリーな物を好んで食べてしまいがちです。

母乳はママの血液から作られる、という事はママが摂取したものが母乳に大きく影響すると考えられます。

塩分を多く含む食品や脂肪分の高い食品は、母乳を詰まらせやすいと考えられており、乳腺炎の原因につながってしまいます。

甘いものが食べたくなった時は、ケーキなどの脂肪分が高いものよりも和菓子を食べるなど、摂取する食べ物に気をつける事が大切です。

また、母乳の為にと牛乳をたくさん飲みたくなりますが、牛乳も脂肪分を含みますので、飲みすぎは逆に乳腺炎を引き起こしたり、悪化させる事もあります。

授乳中の水分摂取はできるだけ、ノンカフェインのお茶や水を摂取するようにしましょう。

毎日の食事も、野菜や魚、海藻などを中心にした和食にすると、母乳がサラサラになったり、栄養バランスを取りながら過剰なカロリー摂取を抑えられるので、産後の体型も無理なく戻す近道になります。

胸を圧迫するような寝方や締め付ける下着はNG!

赤ちゃんが隣に寝ている場合、添い寝するママは赤ちゃんの方を向いて横向きに寝る事も多くなると思います。

この時、下側になった胸は圧迫され、乳腺にも負荷がかかっているので、炎症を起こしやすくなります。

圧迫する事が乳腺に負担をかけるという事は、胸を締め付けるような下着にも同じ事が言えます。

産後の体型が気になった時に、産前と同じような胸をワイヤーでしっかり支える下着をつけたり、少しでもスタイルが良く見えるようにと意識したくなってしまいますよね。

しかし、締め付けの強い下着はスタイルが良く見えても乳腺炎の原因につながったり、授乳するのも困難です。

授乳ブラもたくさん種類があり、1番は授乳のしやすさですが、締め付けずに胸の形を綺麗に見せられるものや、デザインがオシャレなのもありますので、スタイルを保つ為の締め付け重視の下着は卒乳する時まで控えましょう。

早めの対策で改善しよう!「急性うっ滞性乳腺炎」

出産後は、赤ちゃんに栄養をあげる為、体は母乳を作る働きが活発になります。

しかし、赤ちゃんがあまり母乳を飲んでくれない、授乳の間隔が空きすぎるなどの理由から、産後間もなく乳腺内に母乳がたまってしまい、乳管がつまることで炎症を起こしてしまいます。

また、初産の場合は授乳に慣れていない事から起こりやすいという事と、乳管の発達が未熟な為に母乳が乳管で詰まってしまう事も原因の1つとして考えられます。

急性うっ滞性乳腺炎になると、触ると痛いしこりができたり、胸の一部もしくは全体が赤くなったり微熱が出るなどの症状が現れ、母乳が詰まった事でできる白い塊が乳頭に見える事があります。

急性うっ滞性乳腺炎が悪化した場合、高熱が出たり切開が必要になったり、場合によっては入院をしなければいけなくなるので、しこりや痛みを感じるようになった場合は早めの対策が必要です。

間違った食事制限が「急性うっ滞性乳腺炎」を引き起こす⁈

産後はダイエットを意識して、いつもより食事を少なめにしたりと体型を戻す為に努力をしているママも多いはず。

しかし授乳中はなぜかお腹が減る…それもそのはず。

母乳は血液で作られており、その母乳の中にはママが摂取している栄養がたくさん含まれているので、赤ちゃんにあげた分、ママの栄養が不足します。

厚生労働省では、授乳中のママは1日あたり2300kcalから2350kcalの摂取が必要だとしており、このカロリー数値を見ると多すぎ!と思う人も多いと思いますが、毎日、授乳を続ける事で1日あたり500kcalから700kcalは消費していると言われています。

早歩きでカロリーを消費しようと30分歩いたところで約130kcal程の消費なので、それを考えると、授乳で消費するカロリーに驚きますよね。

その為、授乳期間は妊娠前の摂取カロリーに約350kcalプラスして摂取するのが望ましいと言われ、食事を厳しく制限する事なくバランス良く食べる事が母乳を飲む赤ちゃんにも、母乳を与えるママにも良い事なのです。

急性うっ滞性乳腺炎はマッサージと搾乳で悪化を防ごう

急性うっ滞性乳腺炎を悪化させてしまう前にできる事として、乳腺内にたまった母乳を出す事が先決です。

赤ちゃんが母乳を飲んでくれない時に、考えられる理由は様々ですが、乳頭が硬くなり赤ちゃんが飲みにくい状態だったり、乳腺内に母乳が溜まり、美味しくなくなっている事もあげられます。

赤ちゃんが飲みやすい状態にする為にはマッサージが効果的です。マッサージをする際は、清潔な手で、過剰な力を加えずに行いましょう。

  1. 胸を優しく手のひらで掴み、上下左右に数回ずつ大きく動かし、血行の流れを良くします。
  2. 乳頭をつまんでゆっくり加圧し、柔らかくしていきます。

それでも赤ちゃんが飲んでくれないようであれば、溜まった母乳を搾乳しましょう。

面倒であれば手軽な搾乳機もドラッグストアなどで購入できますので、とにかく母乳を乳腺内に溜めないよう、外に出すようにしましょう。

急性うっ滞性乳腺炎が悪化して「急性化膿性乳腺炎」になることも

急性うっ滞性乳腺炎は、母乳を出す為のマッサージや搾乳、炎症部を冷やす事で比較的、改善できる事が多いです。

しかし、急性うっ滞性乳腺炎が悪化してしまうと、炎症している部分に細菌が入り込んでしまう事があります。

細菌が入り込むと、見てわかるくらいしこり部分が赤く腫れ、強い痛みを伴い、高熱が出る事での悪寒など、急性うっ滞性乳腺炎に比べて強く体に症状が現れ、人によっては母乳に血や膿が混ざったり、脇の下のリンパが腫れてしまう事もあります。

急性化膿性乳腺炎は、授乳によってできた乳頭の傷や亀裂などから細菌が浸入し、乳腺組織を通じて細菌が広がり、感染します。

原因は赤ちゃんの口のブドウ球菌が原因に鳴る

細菌の多くは、赤ちゃんの口内に生息している黄色ブドウ球菌が原因と言われています。

しかし、乳頭が不衛生な状態でも起こりうる感染症なので、授乳中のママ達以外にも、急性化膿性乳腺炎になる可能性はあるのです。

「出産の痛みより痛い」と経験した人が感じるほど、激しい痛みを伴う感染症の為、授乳を中止し、自分で対処するよりはお世話になった産婦人科や乳腺外科に相談しての治療が必要です。

急性化膿性乳腺炎の対処法を知っておこう!

急性化膿性乳腺炎の場合、早めに医療機関を受診して処置を行わないと後々、乳腺膿腫(にゅうせんのうしゅ)といって、乳腺内部に大きなしこりができてしまい、外科的手術が必要になります。

しかも、しこりが大きい分、切開する範囲も大きくなり痛みと共に処置でもママを苦しめますので早めの対処が必要なのです。

母乳を外に出す必要があると言っても、あまりの痛さに自分ではどうにもできなくなることや、授乳する事でさらに炎症がひどくなる事があります。

直ちに授乳を中止し早急に医療機関を受診して下さい。

もし、診察の時間外で激しい痛みを感じた場合には受診できるまでの間、患部を冷やす事で炎症を抑え、痛みがやわらぎます。

幹部に直に氷を当てて無理やり炎症を抑える事はせず、保冷剤などをタオルやガーゼでくるんで冷やし、病院へ向かいましょう。

医療機関ではどんな治療を行うのか

化膿性乳腺炎の場合は、細菌に感染している事が原因となる為、まずは抗生剤や消炎剤などで内科的治療法が行われますが、内科的治療法だけでは限度があり、すぐにまた発症する可能性があります。

こうなると授乳できなくなるのはもちろん、長い痛みに苦しめられてしまいますので、乳腺内に溜まった膿を注射針で外に出したり、膿がたまっていた部分を洗浄した後に抗生物質を注入するなどの外科的治療も必要になります。

もっと症状がひどい場合、皮膚を切開して膿を出すなどの手術が必要になります。

傷跡はほとんど残らないとされていても、膿を出す時にはかなりの痛みを伴うので、そうならない為にも急性うっ滞性乳腺炎の段階で対処するようにしましょう。

化膿性乳腺炎になった人は気をつけたい!「慢性乳腺炎」

化膿性乳腺炎になると、一度は治療を終えて回復してきたとしても、乳腺内に生き残っていた菌が原因でまた炎症が起きることがあります。

これを「慢性乳腺炎」といいます。

化膿性乳腺炎に比べると痛みや症状は軽いと言われていますが、慢性乳腺炎の場合は抗生剤などを服用する内科的治療法も一時的には行われます。

しかし、炎症を繰り返している場所を切除しなければ、今後も再発を繰り返す可能性が高いのです。

多くのケースが乳管と皮膚の間に瘻孔(ろうこう)という、管が欠損して通路ができており、この瘻孔と炎症を起こしている乳腺を切除しないと根本的治療にはなりません。

慢性乳腺炎は授乳の経験がなくても発症することもある

授乳の経験がない人でも、陥没乳頭(かんぼつにゅうとう)の女性の場合、陥没した部分にどうしても汚れがたまりやすく、清潔に保つ事が難しい事があります。

そこに、なんらかの原因で乳頭に傷がついてしまうと、陥没して汚れがたまっているところから細菌が繁殖し、乳腺炎を引き起こしてしまうのです。

陥没乳頭になる原因として、様々な理由が考えられますが、胸の成長に乳管の成長が追いつかずに、結果、乳頭が内側に引っ張られるような形になり、陥没乳頭になってしまうのも原因の1つです。

乳腺炎を繰り返さない為に、乳頭を外に出す為の乳頭吸引機などいくつかアイテムがありますが、自分で行う場合、力加減を間違えて傷をつけてしまったり、痛みを伴う恐れもあります。

また、数ヶ月間試してみても効果が現れない場合は手術を検討するのも1つの手です。

美容外科などで手術を行う際は、約30分ほどで終わり、傷跡もほとんど残らないとされています。

もし保険が適用されれば数万円程度の費用で済む事もあるようなので、今後の事を考えて手術も視野に入れておく必要があるかもしれません。

胸の異常に気づいたら!放置せず早めの対策を

女性は仕事や家事に追われながら子育てを頑張り、無理をしている事が多く、病院へ行くのも後回しになってしまうことが多いです。

乳腺炎は母乳のつまりや細菌だけが影響しているわけではなく、ストレスも乳腺炎を引き起こす原因につながっていたり、悪化させる原因になっている事があります。

簡単でも良いので、和食中心の美味しい食事を取り、ストレス解消の為に軽い運動をするだけでも、大分乳腺炎が緩和されます。

胸に違和感を感じても、子育て最中はなかなか病院に行けないという事もあると思いますが、悪化させてしまう前に、そのような施設にお願いして病院に行く時間を作るのも体の為に必要な事だと思います。

ママがストレスをためずに体も健康で笑顔でいてくれる事が子供や家族にとっても嬉しい事です。

たまには周りに甘えてみましょう。

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