完ミ育児で育てたい!粉ミルクと母乳の成分はどれだけ違うの?

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赤ちゃんを育てる授乳の方法には、母乳を与える方法と、人工乳(粉ミルク)を与える方法があり、

  • 母乳だけを与えることを「完全母乳栄養(完母)」
  • 人工乳のみを与えることを「完全ミルク栄養(完ミ)」
  • 母乳と人口乳を与えることを「混合栄養(混合)」

と呼んでいます。

近年、WHO(世界保健機関)では、母乳育児を提唱していますが、それは、母乳が生後半年くらいまでの赤ちゃんにとって必要な栄養素が全て入っている「完全栄養食」だからです。

赤ちゃんにとって母乳に勝るものはないのですが、お母さんと赤ちゃんの状態や環境によって母乳育児ができないこともあります。

大切なことは、母乳であっても粉ミルクであっても、愛情をもって授乳をおこなうことです。

「絶対に母乳でないといけない」、反対に「粉ミルクも母乳も成分は同じ」などと固定概念に捕らわれず、状況に合わせて柔軟に考えるとよいでしょう。

母乳育児が推奨される理由

産後のお母さんにとって、母乳育児を行うことは、決して楽ではありません。

母乳が赤ちゃんにとって良いことはわかっていても、産後の体調不良など様々な理由から、全てのお母さんが母乳育児を実践できるわけではないのです。

まず、母乳育児が勧められる理由と粉ミルク育児のメリットを見てみましょう。

母乳育児が勧められる理由

  • お母さんの産後の子宮の回復を促す
  • お母さんの体重の戻りが早い
  • 乳ガン・子宮体ガンのリスクが低下する
  • 赤ちゃんとのスキンシップが多くなる
  • 粉ミルクの調乳の手間が省ける
  • 赤ちゃんの感染症やアレルギーを予防する
  • 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが減少する
  • 小児糖尿病・肥満のリスクが減少する

粉ミルク育児のメリット

・調乳・授乳が誰でもできる
ミルクは、哺乳瓶で調乳するため、家族の誰もが授乳することが出来ます。夜間の授乳など、産後のお母さんの体が辛いときなど、代わりに授乳してもらうことができますし、家族も育児に参加しやすくなります。
・赤ちゃんがミルクを飲む量を把握できる
母乳は、赤ちゃんがどれだけの量を飲んでいるのかわかり辛いという点があります。ミルクは、哺乳瓶であげる為、飲んだ量が目で確認でき、「飲んでいる量がわからない」などと不安に思うことが少なくなります。
母乳育児には、様々なメリットがありますが、日本の粉ミルクは栄養学的にも母乳に近く、抱っこしてミルクを飲ませることでスキンシップを十分にとることができます。

完全ミルク育児は、赤ちゃんがかわいそうと行った何気ない一言に「私は母親失格」と自分を責めるお母さんも少なくありません。

母乳やミルクといった栄養だけが、赤ちゃんにとって大切なのではありません。
何をメリットとし、どの授乳方法を選ぶかは、人それぞれです。

自分に合った方法を選びましょう。

母乳と粉ミルクの主な成分

日本の粉ミルクは、栄養学的にも、母乳に近い成分になるように作られています。
それぞれに含まれる主な成分を見てみましょう。

栄養素 母乳 粉ミルク
熱量(エネルギー)(kcal/100ml) 66 66~68
たんぱく質(g/100kcal) 1.7 2.2~2.4
脂質(g/100kcal) 5.4 5.2~5.4
炭水化物(g/100kcal) 11.1 10.6~11.1
ビタミン 母乳 粉ミルク
ビタミンA(μg/100kcal) 69 77~87
ビタミンD(μg/100kcal) 0.5 1.3~1.8
ビタミンE(μg/100kcal) 0.6 0.8~1.9
ビタミンK(μg/100kcal) 1.5 2.5~4.9
ビタミンB1(mg/100kcal) 0.02 0.07~0.12
ビタミンB2(mg/100kcal) 0.05 0.1~0.17
ナイアシン(mg/100kcal) 0.3 0.6~1.0
ビタミンB6(μg/100kcal) 微量 57~78
ビタミンB12(μg/100kcal) 微量 0.2~0.4
葉酸(μg/100kcal) 微量 12~20
パントテン酸(mg/100kcal) 0.8 0.8
ビオチン(μg/100kcal) 0.8 0.5~1.0
ビタミンC(mg/100kcal) 8 10~14
ミネラル 母乳 粉ミルク
ナトリウム(mg/100kcal) 23 23~29
カリウム(mg/100kcal) 74 86~97
カルシウム(mg/100kcal) 42 67~75
マグネシウム(mg/100kcal) 5 7~9
リン(mg/100kcal) 22 37~42
鉄(mg/100kcal) 0.06 1.17~1.48
亜鉛(mg/100kcal) 0.5 0.5~0.6
銅(μg/100kcal) 50 60~71
マンガン(mg/100kcal) 微量 5.8
マンガン(mg/100kcal) 未測定 5~12
クロム(μg/100kcal) 0 記載なし
モリブデン(μg/100kcal) 0 記載なし
セレン(μg/100kcal) 3.1 1.0~1.5

(厚生労働省「母乳及び乳児用調製粉乳の成分組成と表示の許可基準」参考)上記の他に、母乳には、多種類のオリゴ糖や粉ミルクに含まれていない様々な酵素や免疫物質が含まれます。

粉ミルクの選びかた

粉ミルクは、会社によって含まれる成分、粉末タイプや固形タイプ、溶けやすさ、値段、味などに違いがあります。

色々な種類の粉ミルクを飲ませると、赤ちゃんの腸内の環境が整わず、便秘になったり便がゆるくなったりします。

試供品をくれる会社もありますので、使い勝手を試した後は、この子のミルクはこれ、とひとつに決めてあげましょう。

粉ミルクをあげた方がいい時

  • お母さんが感染症にかかっているとき(HIVやHTLVなど)
  • 化学療法をうけているとき
  • 薬を服用しているとき(抗がん剤や一部の向精神薬など)
  • 赤ちゃんに先天的代謝異常があるとき(ガラクトース血症・フェニルケトン尿症・メープルシロップ尿症など)

上記のような場合、母乳のあげ方の工夫や粉ミルク、治療用ミルクが必要になります。必ず、産婦人科や小児科で相談しましょう。

粉ミルクを補った方がいい時

体重が大幅に減少した時
産まれた時の体重より7%以上の体重減少がみられる場合は、母乳が出ていない、赤ちゃんがうまくのめてないことがあるため、粉ミルクを与える必要があります。
低血糖がみられる時
血液中の糖分が少なくなってしまう症状です。産まれて間もない赤ちゃんは、体内に糖の蓄えが少なく、体内で糖を作ることも間に合わないため低血糖になりやすいのです。授乳間隔が長かったり母乳量が不足すると、赤ちゃんが一時的な低血糖を起こすことがあります。
新生児黄疸がみられるとき
新生児黄疸は、新生児期に一般的に見られる黄疸のことですが、授乳回数が少なかったり、赤ちゃんはうまく母乳を飲めてないときに、黄疸が強くでることがあります。
完全母乳で黄疸が続いている時
一般的に新生児黄疸は、生後3~4週間ほどで消失します。完全母乳の赤ちゃんの中には、お母さんの母乳中の酵素の働きによって、黄疸が消失しない場合があります。その場合は、検査をするために、一時的に粉ミルクに替えて様子をみることがあります。

粉ミルクの上手なあげかたと作りかた

  1. 手を綺麗に洗います。
  2. 清潔なほ乳瓶を準備します。
  3. 粉ミルクの容器に書かれている分量の粉ミルクとお湯を正確に計量します。※濃くしたり薄くすることは避けましょう。
  4. お湯は一度沸騰させ、調乳する際は必ず70度以上を保ちましょう。
  5. ほ乳瓶にまず、粉ミルクを入れ、お湯を加えた後、フタをして泡立てないように左右に優しく振って混ぜます。
  6. 溶け残りがないか確認した後、流水や冷却水で適温まで冷やしましょう。
  7. ミルクを手の甲などに数滴、出してみて温度を確認します。

※粉ミルクの製造過程や調乳時に混入することがあるサカザキ菌、サルモネラ菌といった菌を殺菌するためには70度以上のお湯で調乳する必要があります。

ほ乳瓶から直接飲んで温度を確認することはやめましょう。大人の菌が赤ちゃんに感染する恐れがあります。
  • 調乳後は、細菌が繁殖するおそれがあるため放置せず、残ったミルクは捨てましょう。
  • 粉ミルクは使用期限を守り、高温多湿、直射日光、冷蔵冷凍保管は避けましょう。

粉ミルクの適切な量と回数

基本的には、粉ミルク容器に書いてある容量と回数にしましょう。

ただ、月齢ごとのの分量や回数は、あくまで目安ですので、大きく産まれた赤ちゃんは足りなかったり、小さい赤ちゃんには、多いことがあります。

容器に月齢と体重の記載がある場合もありますので、それらを参考にしながら、赤ちゃんの様子を見て判断しましょう。

赤ちゃんが満足する量が、その子にとっての適切な量です。

育児を楽しめる方法を選びましょう

母乳育児が推奨される今、誰でも、母乳が赤ちゃんにとってよいことは知っています。

しかし、母乳がでなかったり、体調がすぐれない等、粉ミルクに頼った方がいい場合もあります。

粉ミルクを使って育てることは、決して悪いことではありません。

大切なのは、お母さんが自分の方法に納得し、育児を楽しめることなのです。

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