生理的黄疸と核黄疸の違い!黄疸の症状が進行する2つの原因とは

生理的黄疸と核黄疸の違い!黄疸の症状が進行する2つの原因とは
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産まれたての赤ちゃんは、言葉が話せなくて当然。

だからこそ、一番近くで見守っているママさんが、尿や便の状態、食欲や鳴き声を観察して察知してあげたいものですよね。

赤ちゃんの肌や白目が黄色くなる黄疸も、ママさんが気づいてあげたい症状の一つです。

皮膚や白目の部分が黄色に変化する黄疸は、血液中のビリルビンという成分が増加する事で赤血球が破壊され、脂肪組織に沈着している状態です。

黄疸は、大きく分けて生理的黄疸と病的黄疸に分類されますが、よりリスクが高く過誤できないのが病的黄疸です。

特に、重度の黄疸とも呼ばれる核黄疸の場合は、脳性麻痺などの深刻な後遺症が残ってしまう可能性も指摘されています。

まずは、核黄疸について知っておきたいポイントを見てみましょう。

▼ 知っておきたい核黄疸のポイント

  • 生理的黄疸と核黄疸の違い
  • 核黄疸の進行具合
  • 生理的黄疸から核黄疸に進行する2つの原因
  • 核黄疸の検査方法と治療法
  • 核黄疸を予防するポイント!

ではここからは、上記の項目に沿って詳しくご説明します。

黄疸のメカニズム!生理的黄疸と核黄疸の違いとは?

新生児の核黄疸07251

目に見える形で症状が表れる黄疸は、ママさんが気づきやすい病状の一種です。ですが、どうやって生理的黄疸と核黄疸を見分けたら良いのでしょうか?

まずは、正常時のメカニズムを理解した上で、生理的黄疸と核黄疸の違いを比較してみましょう。

【 正常な体のメカニズム 】

  1. 古くなった赤血球が脾臓(ひぞう)で取り除かれる
  2. 赤血球のヘモグロビン(酸素を運ぶ物質)が再利用される
  3. ヘモグロビンのヘム部分がビリルビンに変換される
  4. ビリルビンが血管を通って肝臓に運ばれる
  5. 胆汁と混ざって消化管へ
  6. 排泄によって体外に排出される

生理的黄疸とは?

産まれたばかりの赤ちゃんは、誕生して間もなく黄疸の症状が見られるケースが多く、そのほとんどが生理的な黄疸と考えられます。

【 生理的黄疸の特徴 】

  • 新生児特有の症状
  • 生後2日~3日目頃から症状が表れる
  • 日本人の場合、生後1週間の間にビリルビン値が高まる
  • 1週間ほどで自然に治癒していく
  • 特別な治療は必要ない

大人に比べて新生児の方が黄疸になりやすいのには、新生児特有の要因が関係しています。

新生児の血液は濃度が高い割に赤血球の寿命が短い為、大人よりビリルビンが多量に生産されてしまいます。

血中のビリルビンは、速やかに分解して排泄しなければなりませんが、肝機能が未発達で腸管の蠕動運動が乏しい新生児は、適切に処理する事ができません。

その為、排泄されず体内に残ったビリルビンは、もう一度肝臓に吸収されてしまうのです。

核黄疸とは?

特別な治療を施さなくても自然治癒が望める生理的黄疸に対して、より高いリスクが懸念されるのが核黄疸です。

核黄疸とは、血液中のビリルビン値が高くなり、大脳基底核を中心に黄染色素が沈着し、遂には脳細胞が侵されてしまう病気です。

【 核黄疸の特徴 】

  • 新生児特有の症状
  • 日令が早ければ早いほどなりやすい
  • 低体重児や早産児に多くみられる
  • ビリルビンが脳血液関門を突破し、脳神経細胞にダメージを与える
  • 仮死や未熟児と並び、脳性麻痺の三大原因の一つ

生理的黄疸との最大の違いは、脳神経細胞にダメージを与えるという点でしょう。

大人であれば、脳血液関門が関所の役目を果たし、ビリルビンが脳に浸入するのを防いでくれます。

ところが、新生児の脳血液関門は発達途中ですから、ガードが甘くなっているのです。

核黄疸の症状は?どうやって進行していくの?

核黄疸の進行具合は、発症からの経過期間や特徴によって4期に分類されます。

▼ 第1期(発症時)

  • 筋肉の緊張が弱まり、ダラリとする
  • おっぱいを飲まない
  • 寝てばかりいる

▼ 第2期(第1期後 1~2週)

  • 後弓反張(全身の力が抜けて後方にのけぞる姿勢)
  • 落陽現象(黒目が日没のように下まぶたへ沈む)
  • 痙攣症状
  • 発熱
  • 四肢硬直
  • 甲高い鳴き声

▼ 第3期(第2期後 1~2ヶ月)

  • 痙攣症状の消失
  • 第2期の症状がいったん消失するので、無症状に見える

▼ 第4期(生後2ヶ月以降)

  • 痙性症状が復活
  • 錐体外路症状(※アテトーゼ:運動障害の一つ。意思とは関係なく動いてしまう)
  • 難聴
  • 上方凝視麻痺
  • 乳歯形成異常
  • 脳性麻痺
  • 精神発達障害
  • 難聴
核黄疸の進行状況の中で最も特徴的なのが、第3期と言えるでしょう。それまでの症状が一時的に収まる事で、パッと見では無症状に見えます。

その為、回復へ向かっているのか、それとも病状が停滞しているのか見極めるのが難しく、残念ながらこの時期に死亡してしまう新生児も見受けられます。

生理的黄疸から核黄疸に進行する2つの原因!

病的黄疸は、新生児高ビリルビン血症という別名がある位、ビリルビンと深い関係にあります。

とりわけ、重度の黄疸とされる核黄疸の場合は尚更と言えるでしょう。

核黄疸の原因を端的に言い表すと、

  • ビリルビンの過剰な増加
  • ビリルビンの排泄不全

です。

▼ビリルビンって何?詳しくはこちらから

この2つの原因が重なり合うと、生理的黄疸から病的黄疸へ、遂には核黄疸へと進行してしまいます。

黄疸の代表的な症状である色素の変化は、最初に赤ちゃんの頭部や顔面に現れ、ビリルビン値の上昇に伴って胸部から腹部へ、最終的には脚部から足の裏へと拡がっていきます。

とはいえ、正確なビリルビン値は、見た目だけでは判断できませんので、医療機関での測定が不可欠です。

核黄疸の検査方法と治療法!

核黄疸の代表的な治療法は2種類ありますが、見た目の症状に加えてビリルビン値の測定結果によって危険度を判定し、より適切な方法が適応されます。

ビリルビン値の測定方法

ビリルビン値が危険レベルまで上昇するには数日間の時間を要します。特に、誕生から生後10日目まではビリルビン値の変化に注意が必要です。

▼ビリルビン値の測定

  • 出産後、1週間後に退院・・・入院中&退院前にビリルビン値を測定
  • 出産後、1日目に退院・・・数日以内に医療期間か訪問看護師による検査を受診
ビリルビンの検査方法は、まず最初に明るい照明下で赤ちゃんの肌色を診察した後、経皮ビリルビノメーターという器具を皮膚に充てて診療します。

また、正確なビリルビン値を測定するには、血液サンプルが用いられます。

光線療法(危険度が中程度の場合)

▼光線療法の手順

高ビリルビン血症の治療方法07061

  1. 裸にした新生児を蛍光灯の下に寝かせる
  2. 眼の損傷を防ぐ為に目隠しする
  3. 蛍光灯の光を当ててビリルビンの構成を変化させる
  4. ビリルビンの構成が変化すると、肝臓と腎臓で処理が進む
  5. ビリルビンが迅速に排出される
  6. 血中ビリルビン値が正常範囲内に戻るまで、繰り返し行う

この方法は、自宅でも行える方法として推奨する専門家も少なくありません。

服を脱がせ眼隠しした赤ちゃんを、光ファイバー製のビリブランケットの上に寝かせて光を当てるだけなので、入院させたくない!ずっと側で見守りたい!というご家族に喜ばれています。

もちろん、症状の程度によりますので、担当の医師に相談してみましょう。

交換輸血(危険度が中程度以上の場合)

▼交換輸血の手順

  1. カテーテルを滅菌する
  2. 臍帯(へその緒)の切断面にある臍静脈に、カテーテルを取り付ける
  3. ビリルビン値が高まった赤ちゃんの血液を、シリンジ一本分ずつ取り除く
  4. ビリルビンを含まない血液を、シリンジ一本分ずつ注入して置き換える

交換輸血は、光線療法の効果が芳しくない!血中ビリルビン値が危険な濃度まで上昇している!という場合に適応される治療法で、ビリルビンを含まない血液は、血液センターから取り寄せます。

体内のビリルビン値を、迅速に低下させる方法として定評のある治療法です。

核黄疸を予防するポイント!

ほとんどの場合、血中ビリルビン値の上昇だけでは深刻な状態には至りません。

しかし、ビリルビンの排泄が上手くいかないという二次的な要素が加わる事で、核黄疸になる可能性が高まります。

つまり、ビリルビンの排泄を促す事で、核黄疸への進行を食い止められる可能性が高まるのです。

その為には、早期新生児の体温下降の抑制と栄養不足の改善が不可欠となります。

体温下降の抑制

早期新生児の体温下降を防ぐには、暖かく快適な恒温状態の環境づくりが重要です。

分娩室の保温や保湿を高め保育器を活用する事で寒暖の差を失くし、子宮内と同程度の快適な環境を作る事ができるのです。

この環境づくりは、初期嘔吐や胎便排出遅延を防ぐ効果に加えて、赤ちゃんの食欲を促進する効果も立証されています。

産院によっては、生後1時間目から母乳を摂取できるようになると報告されているんですよ。

栄養不足の改善

赤ちゃんの栄養不足に対しては、母乳の分泌が乏しい生後数日間、特に生後3日間が要注意と言われています。

赤ちゃんの健康に必要な基礎代謝量は、一日50キロカロリーとされていますが、初産婦の分泌量は必要量の半分にも満たないのが実情です。

母乳の代わりに糖水や人工ミルクで補ってあげる事で、新生児早期の栄養不足が格段に改善されます。

核黄疸は早期発見がカギ!

核黄疸は、一般的な生理的黄疸が病的黄疸へと進行し、更に悪化した状態です。

しかも、第4期まで進行してしまうと、様々な後遺症を残してしまう事から、決して侮れない疾患と言えるでしょう。

とはいえ、早期の段階で発見できれば、深刻な事態は避けられます。

事実、現在の日本では退院前の検査や早期のカバーリングが充実していますので、年々核黄疸の赤ちゃんは減少しているのです。

核黄疸の危険性を避ける為には、予防措置を講じつつ第1期の症状を見逃さず、早い段階で気づいてあげましょう。

特に、低体重児や早産児の場合は、より注意深く見守ってあげて下さいね。

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