将来の歩行困難にも繋がる?!赤ちゃんの発育性股関節脱臼について

将来の歩行困難にも繋がる?!赤ちゃんの発育性股関節脱臼について
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あなたは発育性股関節脱臼という赤ちゃんの病気をご存じですか。

実はこの病気が最近大きな話題となっています。

早期に発見されれば治療はそれほど難しくない病気なのですが、近年、その数自体が減ってきているという理由で3・4カ月健診の時に見落とされがちになっているというのです。

骨盤の形状が外れやすい構造になっている女の子の発症が特に多くなっていると言われています。

その結果、跛行という足を引きずりながら歩いてしまうといった障害が後に残ることになる子もいます。

今回はベビもちママが知っておくべき発育性股関節脱臼の原因とその症状、見分け方、治療法、そしてママが出来る股関節脱臼を防ぐ為の対策についてご紹介していきますね。

発育性股関節脱臼は1000人に1人~3人に発症する

発育性股関節脱臼とは脚の股関節の関節がはずれるという1000人に1~3人の可能性で発症する病気です。

簡単に説明すると脱臼しやすい状態で生まれてきた赤ちゃんが後に股関節を脱臼してしまうという病気です。

以前は先天性股関節脱臼とひとくくりに呼ばれていましたが、母親のおなかの中で脱臼するケースは非常に稀であり、先天性股関節脱臼と診断されたうちのほとんどが生後の発育環境によって脱臼が起きている「発育性」であることがわかりました。

こういったことから現在は発育性股関節脱臼と呼ばれるようになっています。

あくまで脱臼しやすい状態で生まれてくるということなので赤ちゃんが生まれた後、ママが脱臼をしないように注意しながらお世話することで十分に防げる病気なのです。

股関節脱臼の原因

発育性股関節脱臼の原因は、ズバリ!赤ちゃんが両足をM字型に曲げたり、自由に動かしたりすることを妨げてしまう間違ったお世話の仕方です。

日本小児整形外科学会の発表によると股関節脱臼になりやすい赤ちゃんの5つのタイプというものがあります。

そのタイプとは

  • 向き癖があり反対側の足がM字型に開かない
  • 女の子である(男女比1:5~1:9と女子の発症率が高い)
  • 家族に股関節に問題を抱える人がいる
  • 11月~3月の寒い時期に、もしくは寒い地域で生まれた(寒さの為に赤ちゃんの足を伸ばした状態で着せるタイプの服が多くなってしまう為)
  • 逆子で生まれた

この5つのうち2つ以上当てはまるという場合は赤ちゃんの脱臼には十分に注意して生後三カ月、四カ月の健康診断で必ず医師に確認するようにしましょう。

股関節脱臼の症状と見分け方

股関節が脱臼と聞くとすごく痛そうですが、なんと「発育性股関節脱臼」はまだ関節が柔らかい赤ちゃんには痛みを伴わないそうです。

赤ちゃんの表情や様子などをみるだけではママは我が子が脱臼しているかどうかはわかりません。

とはいえ、放置しておくと後に関節の異常によって運動や正しい歩行が難しくなる、関節に痛みを抱える、人工関節をつける手術が必要になるなど後々とても大きな問題となります。

そこで発育性股関節脱臼を見分けるママの目と早期の治療がとても重要になってきます。

発育性股関節脱臼を見分けるにはおむつを替える時が絶好のタイミングですのでおむつ替えのタイミングで定期的に赤ちゃんの様子を確認してみましょう。

【 発育性股関節脱臼の見分け方 】

  • 仰向けに寝た場合、赤ちゃんの足がM字開脚にならず足を自由に動かせていない
  • 向き癖の側と反対の足の膝が立っている状態や伸びた状態にはならない
  • 仰向けで足をM字に曲げて開いた時、右と左の足の付け根のしわの数、深さ、長さが左右均等になっていない
  • 膝を曲げた状態で足を開くとぽきっという音がする

上記の中でひとつでもあっているものがあれば先天性股関節脱臼の可能性がありますので整形外科や小児科で診てもらいましょう。

股関節脱臼の治療の仕方

治療の方法は病気が発覚した年齢で変わりますが、一番多く発覚する3~6カ月の治療方法ではまずリーメンビューゲルという装具をつけ治療していきます。

生後6か月までに股関節脱臼が発見された赤ちゃんの80%はこの治療法で治すことができるようです。

リーメンビューゲルでも治らなかった20%の赤ちゃんのうち8割は入院し股関節脱臼を引っ張って戻す入院牽引療法で治療します。

残りの5%前後は手術を施すという方法で治療することになります。その場合は術後1~2週間でギブスをはめ、その後装具による治療が数週間続きます。

まだ小さい赤ちゃんにとってもママにとっても入院、手術、そしてその後も続く治療は負担がとても大きいですよね。

この時期の赤ちゃんは運動機能が発達する時期です。

運動機能が発達する大切な時期に、ギブスで足を固定されるという状況はあまり望ましいことではありませんよね。

また、リーメンビューゲルで治らず手術や施術などにより治療した赤ちゃんの中には大きくなって再度手術を必要とするケースもあるようです。

その場合は骨盤骨切り等の補正手術の可能性などが出てきます。

私たち人間の股関節は15歳まで成長し続けますので股関節脱臼を治療した赤ちゃんはなんと15歳まで定期的に検診にいく必要があるのです。

驚くほど長期にわたる治療を考えると赤ちゃんが小さいうちから脱臼に充分に注意をはらったケアがどれぐらい大切か納得させられます。

股関節脱臼にならないために出来ること

赤ちゃんの股関節脱臼を防ぐには、衣類の選び方、おむつの当て方、向き癖への対処、抱っこの仕方などが非常に大切になってきます。

衣類の選び方

衣類はあまりしめつけずゆったりとしたもので赤ちゃんが両足をM字形に曲げられるもの、足を自由に動かせるものを選ぶようにしましょう。

正しいおむつの当て方

おむつを替える時はくれぐれも赤ちゃんの両足をつかんで上に引っ張ることでお尻を上げさせることはやめましょう。

常に赤ちゃんの足はカエルのようなM字をキープさせたまま替えることを心がけてください。

お尻の下に片手を入れて持ち上げれば簡単に替えることができますよ。

向き癖に注意

赤ちゃんの向き癖にも注意が必要です。

向き癖によって顔が向いている側へと体がねじれてしまい、向き癖の方向と反対側の足の付け根が開きにくくなりますので向き癖への対処が必要になります。

例えば、

  • 添い寝をする場合は向き癖の方向と逆の方向にママが寝る
  • ベッドに寝かせている場合などはお気に入りのおもちゃなどを向き癖と反対の方向に置く
  • 声かけは常に向き癖の方向と反対方向から行う

など日々の生活の中でちょっとした工夫を取り入れながら赤ちゃんの向き癖に対処していきましょう。

コアラ抱っこで股関節脱臼を防ぐ!

抱っこには横抱き、縦抱きなど様々な抱き方がありますよね。

しかし、前にもお伝えしたように足を伸ばした姿勢で抱っこすると股関節脱臼のリスクが高まります。

そこでおススメしたいのはコアラ抱っこです。

赤ちゃんの足はM字形のままお尻を手で支える抱き方でまるで木にしがみついているコアラのように見えることからコアラ抱っことよばれています。

この抱き方だと赤ちゃんの股関節は自然な形を保てる為股関節脱臼の予防になります。

コアラ抱っこ以外にも昔ながらのおんぶもおすすめです。おんぶの場合も自然に赤ちゃんの足はママの背中でM字形になっていますよね。

赤ちゃんの顔が見えないと不安だというママの声をたまに聞くこともありますが、特に気にならないというママには股関節脱臼を予防できるおんぶもおすすめです。

スリングの使用注意点

最近、海外で使われているスリングを抱っこ紐代わりとして使うママが増えています。

このスリングが実は股関節脱臼の原因になると医療の現場などで指摘されています。

たしかにスリングに横抱きでまだ生後数か月の赤ちゃんを寝かせることは大変危険です。

スリングの中で横抱きされた赤ちゃんの足はまっすぐ伸びたまま布で固定されてしまいますので股関節脱臼のリスクが非常に高くなってしまうのです。

この様なことからスリング使用はやめるべきだと警鐘を鳴らす医師も日本では少なくありませんが、正しい使用方法を守れば股関節脱臼のリスクはないということも事実です。

スリングを使用したいというママは、まず横抱きはやめてあくまで縦抱きを心がけましょう。

まず、スリングに赤ちゃんを入れる時に開脚した足を邪魔しないように自然な開脚の状態そのままでスリングに入れるよう心がければ大丈夫です。

自信がない場合はスリングではなく、通常の抱っこ紐を使用するようにしましょう。

赤ちゃんの足はなるべくM字!を心がけましょう

いかがでしたでしょうか。

毎日のおむつ替えや抱っこの仕方に股関節脱臼のように長期治療や手術が必要な病気の危険性が潜んでいるなんて驚きですよね。

股関節脱臼を防ぐ為の合言葉は「赤ちゃんの足はなるべくM字形!」是非心がけてみてください。

まだ幼い赤ちゃんを抱えるママは毎日の生活の中で赤ちゃんの足の形がどうなっているか充分に気を付けながら楽しい育児ライフを過ごしてくださいね。

かわいい赤ちゃんが健やかで元気にすくすくと育っていきますように。

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