子宮が2つあるってどうゆう事?重複子宮の疑問を解決!

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妊婦向けの情報サイトなどを覗いてみると、たまに「産婦人科で子宮が2つあると診断されました!」というコメントを見かけます。

まさにこれが、「重複子宮」という子宮奇形の一種なんです。

重複子宮とは、本来1つであるべき子宮が完全に2つに分かれて独立して存在している状態を指しています。

子宮というのは女性のシンボル的存在ですから、子宮奇形と診断されただけでも大きな衝撃を受けますよね。

ましてや、子宮が2つもあると知らされた時の女性のショックは計り知れません。

そこで今回は、重複子宮と診断された女性にとって最も気になる妊娠・出産への影響はもちろん、他の子宮奇形との違いや治療法などについて特集してみました。

重複子宮の女性が、「妊娠や出産に伴うリスクを回避したい!」と思うのは当然です。

まずは、ご自分の身体がどのような状況に置かれているのか、把握するところから始めてみましょう。

重複子宮ってどうゆう状態なの?

重複子宮とは、その名称からも連想できる通り2つの子宮が1人の女性の体内に同時に存在している子宮奇形です。

ですが、重複子宮の特長はそれだけではありません。

【 重複子宮の特長 】

  • 本来1つであるべき子宮が、完全に2つに分かれて独立している
  • 子宮内腔も完全に2つに分かれて独立している
  • 子宮口が2つある
  • 膣が2つある(重複膣)

子宮の天井部分を子宮底部と言いますが、この子宮底部から膣にかけて真っ二つに分割されています。

しかも、子宮口と膣まで2つずつありますから、まるで子宮が2つあるように見えるんですね。

但し、正常な容積を有する子宮が2つ重複している訳ではありません。

あくまで、本来1つであるべき子宮が分割されているだけですから、左右の子宮を合わせて正常子宮1つ分の容積となります。

産婦人科によって重複子宮の記述に違いがあるのはナゼ?

インターネットで「重複子宮」と検索してみると、多くの産婦人科で貴重な情報を発信してくれているのが分かります。

ですが、その内容を注意深く見てみると記述に多少の違いがあるようです。

【 重複子宮に関する記述 】

  • 医療法人倖生会 身原病院(京都府):独立した子宮2つ+子宮口2つ+膣2つ
  • みむろウィメンズクリニック(東京都):独立した子宮2つ+膣2つ
  • ふじたクリニック(大阪府):子宮の外観が、完全に左右2つに分かれている

確かに子宮重複の女性は、子宮口や膣も2つずつ存在しているケースが一般的です。

ですが、子宮本体の重複と子宮口や膣の重複を別モノと捉えてみると、下記のような解釈が成り立ちます。

  • 独立した子宮2つ+膣2つ:重複子宮と重複膣が合併している状態
  • 独立した子宮2つ+子宮口2つ:重複子宮と子宮口の重複が合併している状態

産婦人科によって記述に違いが見られるのも納得できますね。

ちなみに、一人の女性に膣が2つ存在している状態を「重複膣」と言い、双角子宮と合併しているケースも報告されています。

重複子宮の原因は?

子宮奇形の主な原因として、不具合が起こる順に3つの要因が挙げられます。

【 子宮奇形の主な原因 】

  • 片側のミュラー管に限定される発育不全
  • ミュラー管の癒合不全
  • 中隔消退不全

一口に子宮奇形と言っても、上記の3要因がどの程度の影響を与えているかによって、様々な形態に変化しているのです。

そもそも子宮という臓器は、ママのお腹の中で発育している過程で、下記のようなプロセスを経て形成されます。

【 子宮ができるまでのプロセス 】

  • 左右のミュラー管から作られた子宮と膣が、中央で融合する
  • 中隔が消退して消える
  • ひとつの子宮が形成される

そのため、発育過程のどの段階で異変が生じたのかも、子宮奇形の種類に影響しているのです。では重複子宮の原因は、どの要因が該当しているのでしょうか?

広島県にある医療法人マイビー まつなが産婦人科によると、重複子宮の多くは「ミュラー管上部の癒合不全」の影響を受けていると解説されています。

外観の分かれ方で区別する!

代表的な子宮奇形は、その形状によって5種類ほどに分類されると言われていますが、実際には形状が似かよっていて区別しにくいケースがあります。

特に混同しやすいのが、子宮の外観の別れ方が微妙に違う下記の3タイプでしょう。

【 外観の違い 】

  • 重複子宮:子宮の外観が、左右2つに完全に分かれて独立している
  • 副角を伴う単角子宮:子宮底部から途中まで分かれており、左右どちらかが小さい
  • 双角単頸子宮:子宮底部から途中まで分かれており、子宮本体がハート形になっている

このように、同じ分割型の子宮奇形でも別れ方の程度によって、種類を区別することが出来るんです。

ところが、重複子宮の中には「腟中隔」を伴っているタイプがあり、膣が狭まっているので検査に痛みが生じる女性もいます。

また、妊娠中の女性であれば胎児への影響も考慮されますので、検査方法が画像検査だけに限定されるケースも少なくありません。

その為、妊娠初期の検査では「双角子宮っぽい子宮奇形」と診断されていたのに、妊娠後期の検査では「膣中隔を伴う重複子宮」と診断されるケースもあるんです。

ちなみに、たとえ外観は正常でも子宮内腔だけが左右に分かれている子宮奇形を「中隔子宮」と言います。

重複子宮の自覚症状は?

重複子宮の女性には、全く自覚症状が現れないという人もいますが、その人の状況によっては下記のような自覚症状を訴えるケースも報告されています。

【 重複子宮の自覚症状 】

  • 膣中隔の程度が重い場合:性交時の不具合や性交痛
  • 左右どちらかの膣が塞がっている片側膣閉塞:月経モリミナなどの月経痛や腰痛

上記の他には、習慣流産をはじめ妊娠初期に見られる化学流産を経験している女性も少なくありません。

また、重複子宮の膣口は通常より狭い傾向にあり、子宮鏡検査や卵管造影検査を行う時に痛みが生じる場合があります。

重複子宮でも妊娠できるの?

婦人科健診で重複子宮と診断された女性にとって、最も気になるのが妊娠できるかどうかという点でしょう。

重複子宮の女性は、どれくらいの確率で妊娠に至っているのでしょうか?

【 重複子宮の妊娠率 】

  • 日本産科婦人科学会:8名の重複子宮の女性に、15回の妊娠が認められた
  • 一般社団法人日本生殖医学会:子宮奇形の妊婦42名の内、10名が重複子宮だった
  • 厚労省 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業: 45.5%が初回妊娠で出産できた
  • リプロダクションクリニック大阪:治療ナシでも重複子宮の40%が妊娠に至った

上記の情報から、重複子宮の女性でも妊娠に至るケースはあるものの、正常子宮よりは確率が低いという事が分かりますね。

また、重複子宮の妊娠を難しくしている要因として、下記のようなケースが挙げられます。

【 妊娠率を低下させる要因 】

  • 腟閉鎖症を合併している場合(片側膣閉塞が多い)
  • 腟中隔があり、膣を2分している場合

上記のような形状が見られる場合は、受精卵の着床が難しく不妊症になりやすいと言われています。

腟閉鎖症とは、腟の一部が損なわれた状態で膣が完全に塞がっている「処女膜閉鎖症」や、腟の一部または全部が欠損している「膣欠損症」などがあり、下記のような症状が代表的です。

【 腟閉鎖症の代表的な症状 】

  • 原発性無月経:相応の年齢になっても生理がこない
  • 月経モリミナ:周期的な腹痛
  • 下腹部痛:腟や子宮の中に月経血や粘液が貯留するため
  • 性交時:不具合や痛み

下腹部痛や性交時の弊害ならともかく、原発性無月経であれば早くに気付く事が出来るでしょう。

ですが、それは子宮と膣が1つしかない正常子宮であればこそ。
先天的に膣が2つある重複子宮の場合は、どちらか一方の膣さえ正常に近い状態であれば通常と遜色ない月経がありますから、大人になるまで気付けないケースもあるのです。

また、腟中隔により膣が2分されている場合は、侵入してきた精子が片側の子宮や卵管にしか進めませんので、正常子宮より妊娠する可能性が低下すると考えられています。

ちなみに、神奈川県にある医療法人ソフィア ソフィアレディスクリニック&不妊センターでは、重複子宮の女性からの質問に対して下記のような回答をされています。

【 質問:下記の条件で自然妊娠は難しいのか? 】

  • 不正出血で婦人科を受診したら、黄体ホルモン不全で高温期が10日も無かった
  • 超音波検査で「重複子宮」と「膣中隔不全」が認められた
  • 診断を受けた産婦人科で、「人工受精」か「膣中隔を切除する治療法」を勧められた
  • タイミング法を2回試したが、妊娠しなかった

【 回答 】

  • タイミング法で妊娠を目指すのは難しい
  • 手術療法が必要となるケースがある
  • 妊娠に成功したとしても、流産を繰り返す不育症となるケースがある
  • 不妊専門医もしくは、不育専門医への相談がオススメ

重複子宮の場合は、手術療法を選択せずに経過を見る場合が多いのですが、「重複子宮」と「膣中隔」が合併している場合は、明らかに不妊の原因と考えられるそうです。

重複子宮の女性で不妊期間が長いのであれば、一度は一般的な産婦人科で診断を受けたとしても、セカンドオピニオンとして不妊専門医への受診を考えた方が良いかもしれませんね。

重複子宮の妊婦さんが流産や早産になる確率は?

重複子宮と診断された女性の中には、妊娠を確認するために行った産婦人科で初めて知らされたというケースも少なくありません。

そんな女性達にとって、真っ先に頭に浮かぶのが「流産」や「早産」のリスクについてでしょう。

日本産科婦人科学会によると、重複子宮の女性の妊娠予後について下記のような調査結果が公開されています。

【 流産や早産に至る確率 】

  • 8名の重複子宮の女性に、15回の妊娠が認められた
  • 初期流産:3名(20.0%)
  • 後期流産:1名(6.6%)
  • 早産:8名(53.3%)
  • 正期産:3名(20.0%)
  • 生児獲得数:6名(40.0%)

上記のデータをまとめてみると・・

  • 妊娠後期よりも妊娠初期の方が、流産に至るリスクが高い
  • 妊娠初期と妊娠後期を合わせると、約27%の頻度で流産に至る
  • 最も留意すべきなのは、早産率の高さ

という事実が見えてきますね。

重複子宮は、本来1つであるべき子宮が2つに分かれている状態を指しており、正常子宮が2つ重複している訳ではありません。

つまり、重複子宮の女性が妊娠した場合、正常子宮より小さい容積では胎児の発育に対応しきれない恐れがあるのです。

その為、正期産まで母体が耐えられず流産や早産になるケースが多いと考えられています。

【 流産や早産のリスクを高める要因 】

  • 妊娠している方の子宮の容積が小さい
  • 妊娠していない方の子宮の容積が大きい
  • 2つの子宮の位置関係

重複子宮の妊娠期に大きな影響を与えているのが、「子宮の容積」です。

たとえ妊娠している方の子宮が十分な容積だったとしても、妊娠していない方の子宮が妊娠子宮を圧迫しているなら、早産の発症率は高まってしまいます。

一般的には、重複子宮の片側の容積は正常子宮の50%程度と言われていますが、個人差がありますので担当医とよく相談して出産計画を立てましょう。

処置後も注意が必要!?「妊娠継続」のリスク

女性の中には、止む負えない事情で人口妊娠中絶を選択する人もいるでしょう。

そんな時に注意したいのが、「妊娠継続」のリスクなんです。

処置後の妊娠継続と言えば、双子や三つ子の多胎妊娠をはじめ、子宮内外同時妊娠の場合に聞かれる話ですよね。

ですが、岡山県にある井上産婦人科クリニックによると、稀なケースではあるものの重複子宮の女性にも処置後に妊娠が継続しているケースがあると指摘されています。

もちろん、術後検診を受けた時にチェックはされますが、下記のような場合は再診が勧められています。

【 妊娠継続が疑われる症状 】

  • 手術後、2ヵ月が経過しても生理がこない
  • 生理がきたとしても、通常より経血量が少ない

術後の経過が順調であれば、施術後1ヵ月~2ヵ月ほどで月経が来るのが一般的です。

上記の情報から察するに、重複子宮の女性が流産してしまった場合も、同様の注意が必要と言えるでしょう。

重複子宮は帝王切開が多い!?自然分娩はムリなの?

正常子宮より低い確率で妊娠に成功し、流産や早産のリスクを耐え抜いた先には、出産という難関が待ち受けています。

中には、重複子宮であっても自然分娩を希望する女性も多いでしょう。

ですが、北海道にある医療法人社団正寿会 秋山記念病院によると、重複子宮の場合は解剖学的理由から自然分娩の可能性は極めて低いと考えるのが一般的。

必然的に、帝王切開による分娩が妥当と判断されるケースがあると解説されています。

全ての重複子宮が帝王切開になる訳ではありませんし、実際に経膣分娩で出産されている女性がいるのも事実です。

とは言え、重複子宮の分娩には下記のようなリスクも含まれますので、状況に合わせて医学的に判断しなければなりません。

【 重複子宮の出産時リスク 】

  • 骨盤の産道が狭く、分娩の妨げになる場合がある
  • 切迫早産のリスクがある
  • 逆子などの位置異常が起こりやすい
  • 子宮収縮異常
  • 胎児の回旋異常

上記のようなケースでは、常位胎盤早期剥離などに繋がる危険性も考慮する必要があります。

その為、その人の状況によっては「重複子宮=ハイリスク分娩」と考え、予定帝王切開が適応されるケースも多いんです。

ちなみに、正常子宮と重複子宮の女性では帝王切開の決定時期にも違いが見られます。

【 帝王切開の決定時期 】

  • 正常子宮:妊娠37週前後が一般的
  • 重複子宮:通常より早い時期に決定される傾向にある

重複子宮は治療で治せるの?

重複子宮の女性の中には、待望の妊娠に喜んだ矢先に流産や早産を繰り返すなど、辛い経験をしている人も少なくありません。

そんな女性が、「重複子宮を治療して、今度こそ無事に出産したい!」と願うのは当然でしょう。

ですが重複子宮に関しては、外科的治療に懐疑的な医療関係者も少なくありあません。

▼リプロダクションクリニック大阪 松林秀彦先生
重複子宮を根本的に治療する手術法は、確立されていない。
▼レディースクリニックつねざわ(福井県)
妊娠中期以降に流産や早産を繰り返す場合は、正常に近い形状に近づける形成手術が適応される事もあるが、かなり稀なケースで多くはない。
流産リスクの回避方法としては、子宮の入り口を縛る「子宮頚管縫縮術」が有名ですが、正期産を100%保障するモノではありません。

その為、不確かな外科的治療を選択するよりも、容積が大きい方の子宮を活用する「体外受精」や「凍結胚移植」で出産を目指す女性が多いようです。

膣中隔を伴う重複子宮なら手術で改善も可能!?

確かに重複子宮に対しては、外科的治療を試みるより体外受精や凍結胚移植が選択される傾向にあります。

但し、例外として外科的治療の有効性が指摘されているのが、「膣中隔」を伴っている重複子宮です。

千葉県にある高橋ウイメンズクリニックによると、膣中隔を伴う重複子宮の外科的治療に関して、下記のようなメリットが紹介されています。

【 重複子宮の膣中隔を切除するメリット 】

  • 性交時の痛みが軽減する可能性がある
  • 精子が両側の子宮や卵管に侵入でき、左右どちらの排卵でも妊娠するチャンスがある
  • 膣が広がり、左右どちらの子宮へも容易に人口受精が行える
  • 膣が広がる分、子宮鏡検査や卵管造影検査が容易に行えるようになる

どんなに赤ちゃんが欲しいと願っていても、性交渉の度に痛みが生じるようでは「心が折れそう!」「辛くて諦めたくなる!」と感じるのも当然でしょう。

確かに、膣中隔を温存したままでも不妊治療は可能ですが、痛みを回避する為に検査や治療が制限されるケースも少なくありません。

また、何より特筆すべきなのは妊娠率がアップする可能性が高まるという点です。

もちろん、不妊治療は数学のように単純計算で答えを出す事はできません。ですが、片側の子宮や卵管だけをターゲットにして行う不妊治療より、有利になるのは確かでしょう。

ちなみに、同クリニックでは膣中隔を切除する手術を日帰りで行っており、手術時間も10分程度で術後の痛みも少ないと報告されています。

重複子宮でも妊娠・出産は出来る!

結論から言えば、重複子宮の女性でも妊娠する事は可能です。

それは、自然妊娠をした女性が妊娠判定のために受診した産婦人科で、初めて重複子宮だと知らされるケースが多い事からも分かります。

ですが、正常子宮に比べて容積が小さいという難点があるのも事実。当然、流産や早産のリスクに備えた慎重な体調管理と、万全な出産計画が欠かせません。

中には、母体と胎児の安全を考慮して長期間の入院が必要と判断されるケースもあるんです。

自然分娩にこだわる女性も多いでしょうが、何より大切なのは無事に赤ちゃんを出産する事!担当医との面談を重ね、より良い出産方法を選択して下さいね。

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