授乳中に飲んでもいい薬。母乳に影響しない薬の選び方

授乳中に飲んでもいい薬。母乳に影響しない薬の選び方
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「授乳中だから」と、体調を崩していても薬を飲まずに我慢してしまうのが親心。確かに母乳は血液から造られているため、薬の成分がわずかながら移行します。

ほとんどは服用した量の1%ほどで、移行する量はわずかですが、なかには赤ちゃんが摂取すると悪影響のある成分が入っているものもあります。

病院で診察を受ける際、医師に授乳中であることを伝えると服用できる薬を処方してもらえます。

病院へ行けず、市販薬に頼らざるをえない場合は、薬剤師に相談のうえ購入するようにしましょう。

やむをえず配置薬などの自宅にある薬を使用する場合は、使用上の注意をしっかりと読んで服用するようにしてください。

どの薬も服用中は、ママと赤ちゃんに変化がないか、気をつける必要があります。

そして、新生児~2ヶ月ころの赤ちゃんに授乳しているママは、消化機能がまだまだ未熟なため、市販薬の服用は極力避けるようにしてください。

ここでは、授乳中でも比較的安心して飲める成分が入った薬を紹介しています。自分に合った症状と、成分を確認して服用するときの参考にしてください。

探してみよう 気になる症状に効く薬はこれ!症状別の薬一覧

風邪薬に関しては、風邪症状をやわらげる過ごし方や食べ物と合わせて、授乳中に飲める漢方薬と市販薬をこちらで紹介しています。

総合風邪薬と風邪症状に効く薬 

■総合風邪薬

【パブロン50(大正製薬】 成人1日3回 1回3錠

のどの痛み、せき、たん、発熱の症状に効果があります。鼻水、鼻づまり、くしゃみには効果はありません。

眠くなったり、尿が出にくくなったりする抗ヒスタミン薬や、便秘しやすくなるジヒドロコデインリン酸塩が入っていません。そのため、授乳中に安心して使用できます。

【新エスタックW(エスエス製薬)】 成人1日2回 1回2カプセル

発熱、悪寒、頭痛などに効く持続性のある風邪薬です。妊婦さんは、医師・薬剤師への相談のうえ使用でき、授乳中のママは説明書に記載がありません。

ただ、カフェイン水和物が1日量中に100mg含まれているので、服用中は赤ちゃんが寝付けないなどの影響がでることがあります。

【パイロンS(塩野義製薬)】成人1日3回 1回3錠

せきやたんによく効く風邪薬です。妊婦さんは、医師・薬剤師への相談のうえ使用でき、授乳中のママは説明書に記載がありません。

こちらも1日量中に無水カフェインが75mg含まれています。

■解熱鎮痛薬

熱やのどの痛みがあるときに服用します。

【タイレノールA(ジョンソン&ジョンソン)】 成人1日3回まで 1回1錠

痛みによく効く薬です。眠くなる成分が含まれていないので、使いやすいです。授乳中でも安心な、アセトアミノフェンが主成分です。

3回まで服用できますが、次の服用まで4時間以上空けるようにしてください。

■鼻炎薬

おもに鼻水や鼻づまりの症状だけのときに服用します。

【パイロンS鼻炎顆粒(塩野義製薬)】成人1日3回 1回1包 

くしゃみ、鼻水、鼻づまりによく効く薬です。抗ヒスタミン薬が含まれているので、副作用として眠気が出ることがあります。

1日量中に無水カフェインが60mg含まれています。また、他の鼻炎用の薬や、抗ヒスタミン剤を含む他の薬との併用はできません。

3回まで服用できますが、次の服用まで4時間以上空けるようにしてください。

■咳止め薬

のどが痛むほど咳が出て辛いときに服用します。

この薬は、効果の高い麻薬性の成分と、効果は穏やかだけれど安全性の高い非麻薬性の成分を配合したものに分けられます。

麻薬性の成分は効き目が高い反面、モルヒネと似た構造をしているため、弱いながらも依存性があります。また、副作用として便秘になったり、眠気が出たりするので注意が必要です。

【コンタックせき止めパブロンST(グラクソ・スミスクライン)】成人1日2回 1回1カプセル

せきとたんに効果があります。眠くなる成分が入った抗ヒスタミン薬が入っていない咳止めです。

非麻薬性鎮咳薬のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が主成分です。
※リゾチーム塩酸塩を含むので、卵アレルギーの人は飲めません。

【エスエス ブロン液L(エスエス製薬)】成人1日3回 1回5ml

苦しい咳や、のどにたんが絡むときに効果があります。シロップ剤なので飲みやすいです。

非麻薬性鎮咳薬のデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が主成分です。

授乳中に服用できないジヒドロコデインリン酸塩を含む「新ブロン液エース」とパッケージがほぼ同じなので、購入の際は気をつけてください。

1日6回まで服用できますが、次に服用するときは4時間以上空けるようにしましょう。

頭痛・歯痛・腰痛・生理痛などの痛みに効く薬はこれ!

風邪以外の痛みがある場合に服用します。

■解熱鎮痛薬

【タイレノールA(ジョンソン&ジョンソン)】成人1日3回まで 1回1錠

熱やのどの痛みのほか、頭痛、歯痛、腰痛、生理痛などのあらゆる痛みに効果があります。

アセトアミノフェンが主成分の小粒の錠剤です。3回まで飲めますが、次の服用まで4時間以上空けるようにしましょう。

胃痛に効く薬はこれ! ロートエキスが入っていないものを選んで

食べ過ぎやストレスなど、胃が痛むときに服用します。
 
【太田胃散の胃腸薬】成人1日3回 1回1.3g

胸やけや胃もたれのほか、胃痛、消化不良などにも効果があります。7種の生薬が主成分で、弱った胃を元気にしてくれます。

母乳へ移行する成分が含まれていないので、安心して服用できます。

【大正漢方胃腸薬 (大正製薬)】 成人 一日3回 1回1包

胃炎、胃痛、胸焼け、食欲不振などに効果があります。漢方薬が主成分なので、安心して服用できます。

授乳中は良くないとされる「ロートエキス」や「ラニチジン塩酸塩」が含まれていません。

ロートエキスは胃散の分泌を抑制してくれる反面、授乳中だと、母乳の出が悪くなったり、赤ちゃんの頻脈を引き起こしたりするので、胃薬を選ぶときには注意が必要です。

ラニチジン塩酸塩は、胃酸が出るのを抑えてくれる反面、母乳に移行する可能性が高いといわれています。赤ちゃんへの影響はまだ不明のため、しっかりとした結果が出るまでは避けたほうが良いです。

【富士胃腸薬(富士薬品)】成人 1日3回 1回1包

胃酸過多、胸焼け、胃痛などに効きます。配置薬として家に置いている方も多いでしょう。この薬はロートエキスを配合していないので、飲めます。

しかし、新富士胃腸薬はロートエキスが入っているので飲めません。「新」が付くだけで、内容成分が異なるので、注意してください。

胃が痛みやすい人は、普段から予防する生活習慣を心がけることが大切です。6つの習慣を心がけて、胃にやさしい過ごし方を目指してください。

胃に負担をかけない習慣

  1. 起きてすぐや、寝る直前に胃に食べ物を入れない
  2. よく噛んで食べる
  3. 腹八分目を心がける
  4. 辛いもの、刺激のあるものは避ける
  5. 睡眠時間をたっぷりとる
  6. リラックスできる時間をつくる

体調不良が重なって、いくつもの薬を服用することがないよう、予防できることは少しでも取り入れて生活してみましょう。

インフルエンザになっても授乳はできる 飛沫感染に注意

熱が出て辛い場合は、アセトアミノフェンを含む解熱鎮痛剤を使って症状を軽くします。抗インフルエンザ薬のタミフル(一般名:オセルタミビル)やリレンザ(一般名:ザナミビル)は、熱の出る期間を短くできます。

リレンザは吸入薬で、母乳への移行はほとんどありません。また、タミフルは服薬後の血中濃度が低く、母乳に移行しても赤ちゃんへの影響はほとんどありません。

そのため、授乳はできますが、赤ちゃんにインフルエンザウイルスを移さないよう、マスクをして授乳したり、タオルで口の周りを覆って授乳したりするなどの工夫をするようにしましょう。

花粉症の薬は長期服用に要注意!

花粉症はシーズンになると症状が長引くことが多く、市販薬を長期で使うことは副作用が心配なのであまりおすすめできません。

花粉症の症状がでたら、授乳中であることを告げた上で医師の診察を受けるようにしましょう。

授乳中でも安全に使用できる花粉症の薬は以下です。

1 抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬には古くからある第1世代と、次に登場した第2世代に分けられます。

第1世代はかゆみ、鼻水、くしゃみを抑える効果がある反面、副作用として眠気や口内の乾燥が起きやすいのが特徴です。

ママに眠気が出たり、赤ちゃんがいつまでも眠かったりするなどの症状が出るので処方された場合には注意が必要です。

第2世代は副作用が少なく、母乳に移行しにくいという特徴をもっています。
有効成分名とカッコ内に花粉症の薬名を加えています。参考にしてくださいね。

第1世代
×マレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン)
×ジプロヘプタジン塩酸塩(ペリアクチン)
この2つの成分は、古くからあるものですが、副作用が出やすいので避けましょう。

第2世代

・フェキナゾシン塩酸塩(アレグラ)
・セチリジン塩酸塩(ジルテック)
・レボレチリジン塩酸塩(ザイザル)
・ロラタジン(クラリチン)
・アゼラスチン塩酸塩(アゼプチン)

2 ロイコトリエン受容体拮抗薬
ロイコトリエンは、鼻粘膜の浮腫を引き起こす生理活性物質です。この働きを抑えることで、鼻づまりなどに効果があります。

有効成分と(花粉症の薬)
・モンテルカストナトリウム(シングレア、キプレス)

3 ステロイド外用薬
ステロイド薬は炎症を鎮めたり、アレルギー症状を抑えたりする作用があります。点鼻薬や点眼薬は外用薬であり、飲み薬に比べて母乳への影響は少ないです。

正しく使用すれば副作用は少ないので、用法・容量を守って使うようにしましょう。

有効成分と(花粉症の薬)
・フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ点鼻薬)
・モメタゾンフランカルボン酸エステル(ナゾネックス点鼻液)

4 血管収縮薬
鼻がつまると、鼻の粘膜にある毛細血管が広がっている状態にあります。血管収縮薬は毛細血管の収縮を促し、鼻をスッキリさせてくれます。

有効成分と(花粉症の薬)
・ナファゾリン塩酸塩(プリビナ)
・トラマゾリン塩酸塩(トラマゾリン)

これも短期間の使用にとどめて、長期間使用する場合は血管収縮剤の入っていない点鼻薬を使うことをおすすめします。

薬を飲むタイミングはいつが良い? 飲むときの3つの工夫

授乳中は、服用のタイミングを考えて薬を飲むことで、赤ちゃんへの影響を少なくすることができます。

また、長期間の服用で副作用がでないよう、3つの工夫を実践してくださいね。

  1. 服用は一週間以内などの短期で
  2. 安全性の高い薬を選ぶ
  3. 服用するタイミングは授乳直後

一週間たっても症状が改善せず、長引く場合は医師の診断を受けてください。ただの風邪の症状ではない場合があり、薬が効いていないのかもしれません。

また、薬は食前、食後、食間など、決められた時間に飲まなければいけないので授乳直後だからといって、決められた時間を守らずに飲むのは避けてください。

食前…食事の前1時間~30分の間に飲みます。
食間…食事をとってから2時間ほど空いた空腹時に飲みます。
食後…食事をとって30分くらいまでの、胃に食べものが残っている状態で飲みます。

正しく服用することで、最大限の効果を発揮するので、飲む時間はしっかりと守ってくださいね。

授乳中に飲んではいけない薬

授乳中に安全に飲める薬がある一方、母乳に高い濃度で移行し、重い副作用をおこすリスクのある薬もあります。

一度、授乳中に飲んではいけない薬を確認しましょう。

  • 抗不整脈薬
  • 麻薬
  • 法的に認められていない薬物
  • 放射性の医薬品
  • 抗がん剤
  • 向精神薬
  • 免疫抑制薬

これらの薬は医師から処方されることが多いので、体調が優れずに薬を処方されることになったら、授乳中であることをしっかりと伝えることが大事です。

授乳中に飲んではいけない成分はどんなもの?くわしく見てみよう

授乳中に服用すると、母乳に高濃度で移行し、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があるとして、注意して欲しい成分がいくつかあります。

中でも代表的なものをあげているので、授乳中は服用しないように気をつけてください。市販薬でも使われているので、注意が必要です。

ジフェンヒドラミン塩酸塩 
抗ヒスタミン薬で、ヒスタミンという物質をブロックする働きがあります。皮膚疾患や睡眠改善薬などに用いられます。

母乳に移行し、乳児が昏睡するおそれがあります。

この成分を含む製品
・ドリエル(睡眠改善薬)
・ドリエルEX(睡眠改善薬)

ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
抗ヒスタミン薬で、めまいを抑える薬や吐き気を抑える薬などに用いられます。乗り物酔いの薬によく使われます。

母乳に移行し、乳児が昏睡するおそれがあります。

この成分を含む製品
・トラベルミン配合錠(鎮暈剤)

タンニン酸ジフェンヒドラミン
第一世代の抗ヒスタミン薬で、じんましんやアレルギー症状を抑える薬に用いられます。

母乳に移行し、乳児が昏睡するおそれがあります。

この成分を含む製品
・レスタミンAコーワ(アレルギーの治療薬)

コデインリン酸塩水和物
「麻薬性」に属する強力な咳止め薬です。

この成分を含む製品
・リン酸コデンイン錠5mg「ファイザー」(鎮咳薬)

「麻薬性」と「非麻薬性」違いは以下のようになっています。

麻薬性=効果は高いが、耐性や依存性があり、副作用を起こしやすい

非麻薬性=効果は麻薬性より低いが、耐性や依存性がなく、副作用を起こしにくい

ちなみに、コデインリン酸塩水和物の副作用は、吐き気や嘔吐、眠気やめまいといったものがあげられます。

ジヒドロコデインリン酸塩
「麻薬性」に属する強力な咳止めです。

この成分を含む製品
・エスタックイブファイン(風邪薬)
・新エスタックイブエース(風邪薬)
・新ブロン液エース(鎮咳去痰薬)

ジヒドロコデインリン酸塩の副作用も吐き気や嘔吐、眠気やめまいがあげられます。また、便秘に悩まされている人は、便秘がひどくなる事もあります。

センナ  ダイオウ
便秘薬に使われる生薬です。母乳に移行して、赤ちゃんが下痢をすることがあります。

この成分を含む製品
・センナダイオウ錠シンワ(便秘薬)

カフェイン
市販の風邪薬やドリンク剤によく含まれています。眠気や疲労感をとり、頭の重い感じを和らげてくれます。

大量に服用すると、赤ちゃんが興奮して眠れなくなることがあります。

この成分を含む製品
・イブクイック頭痛薬(解熱鎮痛薬)
・エスタロンモカ12(眠気除去薬)
・イブクイック頭痛薬DX(解熱鎮痛薬)

コーヒーが好きなママは、風邪薬を飲むときにカフェイン量についても十分注意してください。

日本ではあまり馴染みがありませんが、世界ではカフェインの摂取量を定めているところもあります。

普段から健康的な生活を送って、病気しらずのアクティブママに

産後は体の不調が続きやすいもの。さらに授乳中は赤ちゃんに栄養をとられて、体調を崩しやすいですね。

そんなときには、毎日の生活に病気を予防する要素を加えてみましょう。これが習慣になれば、元気に楽しく過ごせる時間が増えることでしょう。

○風邪を引きやすい人は
免疫力をアップするために生活習慣を見直してみましょう。

  • バランスの良い食事をする
  • 十分な睡眠時間をとる
  • 適度な運動

○インフルエンザ対策

  • 家族で予防接種をうける
  • うがいと手洗いの習慣をつける

○花粉症の人は
花粉をつけない・入れない・持ち込まない対策を心がけましょう。

  • 外出するときはマスク着用
  • 花粉のつきやすいコンタクトではなく眼鏡をかける
  • 家に入る前に、衣服についた花粉をとる
  • 帰宅後はすぐにうがい・手洗いをする
  • こまめに床掃除をする

授乳期を終えた後も、なるべく薬を使わずに不調を治せたらいいですね。子どもが大きくなったら、うがいや手洗いを習慣づけることで、病気の予防ができます。親子で一緒に健康生活をはじめましょう。

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