耳の聞こえ方に異常を感じたらすぐ病院へ!放っておけない突発性難聴

ストレスや疲労が影響するのは肌や精神面だけではありません。

耳の不調を招く事もあります。

  • 突然片方の耳が聞こえにくくなった
  • 耳に閉塞感があり、取れない
  • ボー・・・・キーンと音がするようになった

などの異変を感じたら、厚生労働省が認定する特定疾患の1つである「突発性難聴」の可能性があります。

突発性難聴とはどんな疾患なのか

突発性難聴は、厚生労働省による特定疾患に指定されている難病の1つで「突発性」という名前の通り、主な原因がわからないまま突然に発症し、症状として

  • 片耳だけ聞こえにくくなった
  • 耳がつまったように感じる
  • 耳鳴りがする
  • 耳の異常+めまいや吐き気がする

などの耳の不調や、耳からくる体調不良があげられます。

1993年の厚生労働省による調べでは、全国で突発性難聴をかかえる人は年間で24000人いるとされていました。

しかしその後、2001年にも再度調査が行われ、突発性難聴をかかえる人が年間35000人に増加している事がわかりました。

あくまでこの人数は医療機関を受診した推定人数ですので、医療機関を受診せずに悩んでいる人、突発性難聴と気づかずに不調をかかえている人を含むと、もっと多い事が予想されます。

以前までは、主に40代から50代の女性に多く見られる疾患とされてきましたが、最近は年齢も性別も問わず、突発性難聴が発症しており、突発性難聴に対しての認知度も上がってきた事から、10代や20代の若い人達にも増えてきていると言われています。

突発性難聴は、いつ・誰が発症してもおかしくない疾患と言えるでしょう。

突発性難聴の原因

突発性難聴は、前触れもなく突然、耳の聞こえに異常を感じるようになります。

原因として近代社会でのストレスや疲労の影響、食事や睡眠など生活習慣の乱れ、ウイルスによる感染などが考えられていますが、これといって断言できる原因は未だにわかっていません。

若い世代は「ヘッドホン」が原因の1つになる事も

突発性難聴が10代や20代の若い人にも増えている傾向には、スマホやオーディオ機器でヘッドホンをしながら手軽に音楽が聴ける機会が増えた事も原因として考えられるのでは、と言われています。

ヘッドホンをしながら、大音量で音楽を聴き続ける事により、耳がダメージを受け、難聴になる事から「ヘッドホン難聴」とも呼ばれています。

このヘッドホン難聴は初期症状がでにくく、気づきにくい為に大音量で音楽を聴き続ける事でさらに耳にダメージを与え、ある日突然、耳の聞こえに異常を感じるようになります。

大音量が耳にダメージを与えるという点では、ヘッドホンだけではなく、工事現場や工場で長時間働き続ける事や、長時間のライブやスポーツ観戦、パチンコなども影響すると考えられるかもしれません。

耳の仕組みと音が聞こえる仕組みについて

そもそも耳はどのように音を伝え、耳の異常を感じる際は耳の内部にどのような事が起こっているのかをご説明します。

耳は大きく分けると、外側から「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」この3つの部分により構成されています。

人や動物など、あらゆる物が発する音は、空気を振動させ、その空気振動を耳で集め、耳から脳に電気信号として伝えられる事で音を感じる事ができます。

【 音が聞こえるまでの仕組み 】

  1. 外耳(がいじ)の耳介(じかい)で音の元になる空気振動が集められ、外耳道を通って鼓膜に振動が伝えられる
  2. 中耳(ちゅうじ)にある耳小骨(じしょうこつ)に振動が伝わる事により、空気振動はさらに増幅され、内耳に伝達される
  3. 内耳にある蝸牛(かぎゅう)の中のリンパ液を揺らし、有毛細胞がその揺れをキャッチし、電気信号に変換して脳に音を伝える

音の元となる空気振動を集める「外耳(がいじ)」

耳の最も外側にある、私達が普段、耳と呼んでいる部分を「外耳」といいます。

さらに外耳は「耳介(じかい)」と「外耳道(がいじどう)」から構成され、耳介で音の元となる空気振動を集め、その空気振動は鼓膜まで続く外耳道(私達が耳の穴と呼んでいる部分)を通っていきます。

外耳道は約2.5cm〜3cm程の長さがあり、音を脳に伝えるために重要な役割を持ち、外耳道の突き当たりにある鼓膜を震わせます。

鼓膜の振動を「内耳(ないじ)」伝える為に重要な役割「中耳(ちゅうじ)」

外耳道を通って鼓膜に届いた空気振動を、鼓膜から内耳に伝える為に必要な器官を「中耳(ちゅうじ)」といいます。

中耳は「鼓膜」「鼓室(こしつ)」「耳小骨(じしょうこつ)「耳管(じかん)」から構成され、「鼓膜」は外耳道の突き当たりにある薄い膜で、空気振動を受けて鼓膜も振動します。

その鼓膜の奥に空間があり、その空間を「鼓室(こしつ)」といい、鼓室の中には「耳小骨(じしょうこつ)」という小さな骨が3つあります。

この耳小骨に振動が伝わる事により、もともと集めた空気振動よりも大きくなり、次の「内耳(ないじ)」に伝わっていきます。

「耳管(じかん)」は耳と鼻をつないでいる管の事で、気圧の調整をしています。

よく、エレベーターに乗った時や車で山を登った時などに、耳がつまったように感じる事はありませんか?

これは中耳の中と外で気圧の差が発生すると、鼓膜は薄い膜なので、へこんだり膨らんだりします。それが音が聞こえにくくなる、耳がつまった感じがする原因です。

耳管は普段は閉じているのですが、あくびをしたり、つばを飲み込んだりする事で開き、空気を鼓室内に送り込む事によって、気圧を整えます。

よく、耳がつまった感じがしたらつばを飲み込むとか、アメを舐めると良いと言われるのはこの為です。

振動を電気信号に変換して脳に伝える「内耳(ないじ)」

「内耳(ないじ)」は、鼓膜から伝わってきた振動を、電気信号に変換して脳に伝える役割があり、「蝸牛(かぎゅう)」「半規管(はんきかん)」「前庭(ぜんてい)」から構成されています。

「蝸牛(かぎゅう)」は音として感じる為に必要な器官で、かたつむりのような形をしていて、内側には「有毛細胞(ゆうもうさいぼう)」という感覚細胞があり、高い音や低い音を感知します。

さらに、蝸牛の中にはリンパ液があり、耳小骨から伝わってきた振動がリンパ液に伝わり、リンパ液が揺れる事により、有毛細胞がその揺れを感知し、電気信号に変換して「音」として脳に伝えます。

「半規管(はんきかん)」や「前庭(ぜんてい)」は、体のバランスをとるために必要な平衡感覚を制御します。

半規管は3つあり、その事から「三半規管(さんはんきかん)」とも呼ばれています。
半規管や前庭に異常が出ると、めまいや吐き気などの症状につながる事があります。

突発性難聴は「感音性難聴」の一種

「難聴」には大きく分けると「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」の3種類あるといわれており、耳のどの部分に機能不良が生じているかで区別されます。

外耳や中耳の機能不良で起こる「伝音性難聴」

主に外耳(がいじ)や中耳(ちゅうじ)に機能不良や障害が起こり、音が聞こえにくくなります。

伝音性難聴は比較的、原因や症状、治療法が医学的にハッキリしているのが特徴で、中耳炎などによる炎症や鼓膜の損傷、耳垢が詰まる事が主な原因とされています。

音の感覚そのものには障害が発生しないとされ、聞こえる音にゆがみなどが起こる事はなく、「音が聞こえにくい」という症状に絞られるようです。

原因や治療法が定まらない「感音性難聴」

主に内耳(ないじ)に障害が起こり、音が聞こえにくくなります。

伝音性難聴に比べ、原因がハッキリしない事が多く、治療による完治も難しいとされています。

音の感覚そのものに障害が起こる為、音が聞こえにくくなるだけではなく、聞こえの歪みから「言葉を理解しにくい」、耳鳴りが起こる、という症状も発症します。

突発性難聴はまさにこの感音性難聴の一種とされ、原因や治療法が定まらない事から、難病の1つとされているのです。

伝音性難聴と感音性難聴の混合型「混合性難聴」

混合性難聴は言葉の通り「伝音性難聴」と「感音性難聴」の両方が混合した症状が起こる難聴の事で、音が聞こえにくい、音がぼやけて言葉として理解しにくいなどの症状がみられます。

どちらの方が症状として重いのか、症状は軽度なのか重度なのかなどは個人差により異なります。

感音性難聴はウイルス感染による原因が考えられる⁈

特定の原因がわからず、内耳に何かしらの障害が起こる事によって発症する感音性難聴。

研究がすすむにつれ、ストレスや疲労などが関係しているのではと考えられる他にも、現段階で2つの有力説がでてきています。

内耳循環障害説

ストレスや疲労など、なんらかの理由により内耳血管の収縮が起こったり、血栓ができる事により、内耳の機能不全が起きるのではないか

ウイルス感染説

特に、ウイルス感染説は特に有力で、感音性難聴を発症した人の多くが思い当たる節として

  • 難聴になる直前に風邪のような症状があった
  • おたふくや、はしかに感染した後に発症した

とあげている事から、ウイルス感染による影響が大きいのではといわれています。

また、感音性難聴の一種である突発性難聴に関しては、一般的に「再発しない」のが特徴の1つとされています。

内耳循環障害説の場合は、何度も再発する可能性がある、血流などになんら問題のない健康な人にも起こりうる事から、ウイルス感染説の方が有力だとされています。

突発性難聴が再発⁈別な疾患を疑いましょう

突発性難聴は一般的に「再発しない」と説明しましたが、1度治療して治ったにもかかわらず、何度も繰り返し発症するものは、突発性難聴よりも「メニエール病」や「低音障害型感音難聴(蝸牛型メニエール病)」「聴神経腫瘍(ちょうしんけいしゅよう)」などの疑いがあります。

耳の不調とめまいを伴う「メニエール病」

突然、片耳が聞こえにくくなったり、耳鳴りがするという症状にプラス、ぐるぐる回るような回転性めまいが起こるのが特徴です。

めまいが起こる頻度や度合いは人それぞれなのですが、めまいが治ってくると耳の違和感も治る事があるのですが、頻繁にめまいが起こるうちに、めまいが治っても耳の異常は消えないままになるといわれています。

また、ひどい時にはめまいに伴う吐き気や動悸なども起こる事があります。

メニエール病の原因は内耳のリンパ液が増えて水ぶくれになる「内リンパ水腫」とされており、ストレスや疲労、ウイルス感染が影響していると考えられていますが、なぜ内リンパ水腫が発生するのか、ハッキリとした理由はわかっていません。

女性に多い「低音障害型感音難聴」

突発性難聴の1種で、突発性難聴のように突然、発症するのですが大きく違うのは、めまいが起こらない事と、「再発する」という事です。

特に20代〜40代の女性に多い病気とされ、症状として

  • 難聴よりも耳がつまった感じで低い音が聞き取りにくい
  • 低い音の耳鳴りがする

など、「低い音」に関する症状が多く見受けられ、原因はハッキリわかりませんが、ストレスが大きな影響を与えていると考えられています。

また、再発するごとに聴力の低下が起こるともされ、内耳にある蝸牛(かぎゅう)の中に異常が生じ、難聴になる事から「蝸牛型メニエール病」とも呼ばれます。

聴神経にできる良性の腫瘍「聴神経腫瘍」

軽い耳鳴りから始まり、徐々に耳鳴りが強くなっていったり、片側の耳の後ろに痛みを感じたり、めまいが起きる事があります。

名前の通り、脳と耳をつなぐ聴神経に良性の腫瘍ができる事で起こるとされており、この腫瘍の成長がゆっくりである事から、症状も時間をかけて出始める傾向があります。

そのまま放置して腫瘍が大きくなると、聴力が衰えたまま戻らなかったり、聴神経の近くにある顔面神経にも影響を及ぼし、麻痺につながる事もあります。

耳の聞こえが「徐々に悪くなってきた」場合は、腫瘍の有無を確認する為にもMRI検査をする事をオススメします。

「難聴」なのになぜ「耳鳴り」は起こるのか

これまで「難聴」について説明してきた中に、時々「耳鳴り」という症状が出てきました。

「聞こえにくい」という症状でありながら、「耳鳴り」が起こるのは少々、矛盾も感じますが、難聴と耳鳴りの関係と、耳鳴りの音に注目してみたいと思います。

脳が必要以上の電気信号を受け取ってしまう

音は、空気振動が内耳で電気信号に変わることにより、それが脳によって音として認識されるます。

しかし、内耳の蝸牛(かぎゅう)の中にある「感覚細胞」に何らかの障害が起こり、聴力が低下してしまうと、脳に電気信号が十分に伝わらなくなってしまいます。

すると、脳はその電気信号を受け取ろうとし、本来は受け取らなくても支障のない電気信号までも受け取ってしまい、それが耳鳴りとなっているのではと考えられています。

耳鳴りに「高い音」と「低い音」があるのはなぜ

耳鳴りを経験した事のある人、もしくは耳鳴りに悩んでいる人、耳鳴りの音はどんな音でしょう?

耳鳴りには高い音や低い音、聞こえ方に特徴がかあり、考えられる原因も違います。

金属音のような「キーン」という高音の耳鳴り

耳鳴りの代表といわれるほど、耳鳴りを経験した事がある人の多くに感じる高音の耳鳴り。

音量が変わりやすかったり、耳鳴りがする側の耳の穴をふさぐとさらに音量が大きくなるなどの特徴があり、両耳で発生する場合もあります。

高音の耳鳴りの場合、考えられるのは工事現場やコンサートなど大音量の環境に長時間いた場合などに一時的に起こるものと、慢性的に起こるものがあります。

もし慢性的なものであれば、年齢を重ねていくとともに内耳の感覚細胞が老化し、高音の音が聞こえにくくなる「老人性難聴」という可能性もあります。

「ブーン」「ゴー」など低音の耳鳴り

低音の耳鳴りが起こる場合は、ストレスが大きく影響しているのではないかと言われています。

この低音の耳鳴りが起こる時は、同時に耳が詰まったような感じもあり、女性に多く見受けられます。

低音の耳鳴りがする時に気をつけなくてはいけない病気が、低音が聞き取りにくくなる事にプラス、めまいや吐き気が起きる病気、「メニエール病」が代表的なものとしてあげられます。

様々な症状を引き起こす突発性難聴の治療は早急に

突然、耳の不調や体調の不良を引き起こす、突発性難聴。

確かな原因や治療法がわかっていないとされながらも、早期治療によって改善する人もいます。

耳に異常を感じた場合は、先延ばしにせず、まずは耳鼻科を受診しましょう。

耳鼻科での治療法として、数種類の薬を用いて治療が行われるのがほとんどです。主な薬の種類として

  • ステロイド
  • ビタミン剤
  • 循環改善薬
  • 代謝賦活薬(たいしゃふかつやく)
  • 利尿薬

などが処方されます。症状が生活に支障をきたすぐらいひどい場合は、入院になる事も。

また、発症から時間が経てば経つほど聴力の改善が難しくなるので、気づいたらすぐ治療し、安静を心がけましょう。

薬の副作用について

処方される薬の中には、治療に必要とされながらも体に合わずに副作用が起きる可能性もあります。

用量や用法はしっかり守るようにしましょう。

・ステロイドで考えられる副作用
肌荒れ、気分の浮き沈み、むくみ、肥満、月経異常、下痢、血圧上昇、吐き気、発熱、発疹、胃痛、骨粗鬆症、糖尿病、白内障などの悪化などがあらわれる場合があります。
・ビタミン剤で考えられる副作用
食欲がなくなる、下痢、吐き気、発疹、気分が優れなくなるなどの症状があらわれる場合があります。
・循環改善薬で考えられる副作用
腹痛、下痢、吐き気、頭痛、眠気、不眠、食欲がなくなる、倦怠感などの症状があらわれる場合があります。
・代謝賦活薬で考えられる副作用
吐き気、下痢、便秘、胃痛、発疹、口内炎、脱力感などの症状があらわれる場合があります。
・利尿薬で考えられる副作用
低カリウム血症(カリウム不足により体のあらゆる部分に障害が起きる)、糖尿病、痛風などの症状があらわれる場合があります。

耳の異常を感じたらすぐ病院へ!

耳の異常を感じながらも放置した場合、そのまま治りにくくなる可能性が高くなります。

早く受診すればするほど治る可能性は高くなるので、耳の異常を感じてから1週間以内の治療が望ましく、1ヶ月を過ぎると治療の効果を感じにくくなってしまうとされています。

おかしいと感じたら1日でも早く、まずは耳鼻科で治療を受けましょう。

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