異常な口の渇きはドライマウスが原因かも!セルフケアでの予防方法

アルコールを飲んだ次の日の朝、のどがカラカラになって辛かったことはありませんか。

そんな状態がずっと続くことをドライマウス(口腔乾燥症)といい、推定罹患率850万人を超える現代病です。

目が乾く・一日中、ペットボトルを手離せない方はドライマウスかもしれません。
ドライマウスの症状と唾液の作用についてご紹介します。

ドライマウスは口が乾くというものだけではありません

ドライマウスは「口が渇く」というイメージがあるため、お口の中に少しでも唾液があると、「ドライマウスではない」と思ってしまいがちです。

しかし、以前より虫歯になりやすくなった、口臭が気になるなどの症状があればドライマウスの可能性があります。

ドライマウスは単に「口が乾く」というだけではなく、食べにくい、話しにくいなどQOL(生活の質)の低下につながり、気持ちまで沈みがちになってしまいます。

普段、何げなくある唾液ですが、どこから分泌され、どんな働きをしているのでしょうか。

主となる3つの唾液腺

唾液は唾液腺から出てきます。

お口の中には三つの大きな唾液腺と小さな唾液腺があり、1日に分泌される唾液量は約1~1.5Lです。そのうちの99.5%は水からできています。

  • 大唾液腺:全唾液量の90%が分泌される大きな唾液腺です。
  • 耳下腺(じかせん):上の歯の第二大臼歯付近にあり、唾液はサラサラした性状をしています。
  • 顎下腺(がっかせん):顔のエラの下付近にあり、唾液はサラサラとネバネバが混じった性状をしています。
  • 舌下腺(ぜっかせん):下の前歯の裏側付近にあり、唾液はサラサラとネバネバが混じった性状をしています。
  • 小唾液腺:お口の粘膜全体にあります。

唾液の6つのはたらき

唾液には、おもに6つの働きがあります。

  1. 抗菌作用:菌の増殖をおさえます。
  2. 消化作用:食べ物を吸収しやすい形へかえます。
  3. 洗浄作用:食べ物のカスや細菌を洗い流します。
  4. 粘膜の保護作用:保湿効果・外界からの刺激から粘膜を保護します。
  5. 緩衝作用:口の中のpHが酸性やアルカリ性になった場合に中和します。
  6. 円滑作用:咀嚼や発音、食べ物の飲みこみをスムーズにします。

ドライマウスの原因

多くの場合、ドライマウスは、唾液腺がダメージを受けたためではなく、体の他の部分におこる病気によって唾液腺が機能できなくなるためにおこります。

・噛む回数の減少
唾液は噛むことによって分泌されます。おかゆのようなやわらかいものばかり食べ、噛む回数が少ないと2週間ほどで唾液の分泌量が減るという報告もあります。よく噛む習慣をつけましょう。
・口呼吸
鼻ではなく口から呼吸することを口呼吸といい、鼻の疾患や歯並び、かみ合わせなどが原因でなります。口で呼吸していると口が渇くだけでなく、空気中の雑菌をダイレクトに体内に取り込むので感染症になりやすくなります。
・シェーングレン症候群
体の防御機能が自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患で、女性に多くみられます。ドライマウスと目の乾きをおもな症状とし、全身症状として疲労感、めまい、頭痛が多くみられます。免疫異常や女性ホルモンのバランスのくずれなどが要因として考えられています。

心理的なもの:緊張しているとお口がカラカラに乾いてうまく喋れなかったことはありませんか。

この時、体は交感神経が優位になっている状態です。

交感神経とは、「さぁ、今からケンカするぞ!」と目はぱっちりとあき、血流が増え心拍があがり興奮状態になる神経のことで、お口の中ではネバネバした唾液が分泌されます。

ネバネバした唾液の分泌量はサラサラした唾液に比べて分泌量が少ないのでお口は乾いてしまうのです。

・薬の副作用鼻炎などアレルギーの薬や精神安定剤、風邪薬などは、副作用として口が渇くことがあります。辛いときは主治医や薬剤師に相談するとよいでしょう。

・加齢によるもの:年齢を重ねると唾液量は低下します。それだけでは、ドライマウスにはなりにくいのですが、噛む回数や会話が減る等、お口を使うことが少なくなることからドライマウスになりやすくなります。

ドライマウス自己診断チェック

あなたのお口は乾いていませんか。次の項目に当てはまるならドライマウスかもしれません。

自己診断チェックをしてみましょう。

  • 口の中がねばつく
  • 水分の少ない食べ物を飲み込みにくい
  • 一日中、飲料水を手離せない
  • 入れ歯が合わない
  • 入れ歯で口の中が傷つきやすい
  • 喋りつらい
  • 口臭がある
  • 目が乾く(ドライアイ)
  • 唇が乾く
  • 唇の端がよく切れる

いかがでしたか。

複数目あてはまるなら、歯科医院や口腔外科で相談してみましょう。

ドライマウスで引き起こされる症状

ドライマウスで引き起こされる症状には、どんなものがあるのでしょうか。

味覚異常
私たちは、食物の味の成分が唾液に混じって溶かされ、舌にある味を感じる細胞に取り込まれることによって、「味わう」ことができます。唾液が少なくなると味の成分が溶けにくく細胞が味の成分を取り込めなくなるので味がわかり辛くなります。
舌痛症
正常な舌はピンク色をしています。口の中が乾くと舌や粘膜が赤くなり炎症を起こします。見た目に変化が見られない場合もありますが、多くは赤くなったり、舌の表面のザラザラした乳頭が小さくなりつるりとした状態になることもあります。ヒリヒリジンジンした痛みを伴います。
むし歯
虫歯は、虫歯菌が食べ物を代謝する際に出す酸によってお口の中のpHが下がり、歯がとけること(脱灰)から始まります。唾液はその下がったpHを中和させる作用があり、歯を守ってくれます。唾液量が少なくなると、食べカスを洗い流す自浄作用も弱くなり、pHも酸性に傾いたままなので虫歯になりやすくなります。
口臭
口臭は唾液の成分から作られます。唾液がお口の中を循環していると、その成分である99.5%の水が口臭の原因物質を洗い流してくれるのですが、循環が悪くなると、唾液中の有機成分が停滞し、食べカスを発酵させたり、臭気を作り出して口臭を起こします。
歯肉炎
歯周病:唾液量口の中が乾いていると、歯周病菌が増殖しやすくなります。唾液量が減少すると、お口の中が不潔になりがちです。細菌が増殖し歯肉炎や歯周病になりやすくなります。
舌苔(ぜったい)
舌の表面につく白色や黄色の苔状のもので、唾液や食べ物のカス、細菌、舌の表皮の細胞からできています。正常なお口の中でもうっすらと着くことがありますが健康に問題はありません。しかし、ドライマウスですと、舌苔が舌の広範囲につきやすくなります。

唾液の隠されたアンチエイジングな力

アンチエイジングという言葉をご存知ですか。

人は「加齢」を止めることはできませんが、老いるスピードをゆるやかにしようというのが、アンチエイジング(抗老化)です。

唾液のおもな働きについては上記で記載したが、それだけではなく、唾液には若さを保つアンチエイジングパワーがあることがわかってきました。

唾液中ホルモンの一つであるパロチンには、歯や骨にカルシウムを取り込んで丈夫にしたり、筋肉の発達や皮膚の新陳代謝を促す効果があることが報告されています。

新陳代謝がよくなると、細胞が生まれ変わり、若々しさを保つことができます。

パロチンは、噛む刺激によって耳下腺から分泌されます。

また、リラックスしているときにたくさん分泌されるため、食事をよく噛んで、楽しみながら食べると効果的です。

よく噛むことで、消化器官の負担も減り食べ物の消化・吸収がよくなるだけでなく、お口の周りの筋肉も鍛えられシワ予防にもつながります。

ドライマウス予防・改善法

ドライマウスは水を飲むだけでは改善されません。

また、女性は、月経や妊娠などでホルモンバランスが崩れると唾液の分泌量が減ってしまい、お口が乾きがちになります。

生活習慣や食事の栄養バランスの見直しなど日常にちょっとした工夫を取り入れてみましょう。

  • こまめに水分をとる
  • 利尿作用のあるコーヒーや紅茶、アルコール類を控える
  • 食べ物をゆっくりよく噛む
  • 体を温める
  • 睡眠をとる
  • 適度にストレス発散をする
  • 唾液腺のマッサージを行う

【 耳下腺マッサージ 】

耳たぶの下くらいの位置を人差し指から小指の4本の指で包み込み、優しく円を描くようにさすります。

【 顎下腺マッサージ 】

エラの内側の柔らかい部分を指先で押すようにします。

【 舌下腺マッサージ 】

手を握り親指をたて、顎のしたにあてると、舌の付け根くらいにあるちょうど舌下腺付近に指があたります。指の腹で押すようにします。

【 口筋と舌の体操 】

  1. 水を口に含み、ぶくぶくと口の周りの筋肉を動かしてうがいをする。
  2. 舌をべーと前に出したりひっこめたりを繰り返す。
  3. 舌を前へ突出し、右へ左へと動かす。
  4. 口を、前に突き出して「うー」、横に引っ張って「いー」、大きく開けて「あー」と声を出しながらゆっくり大きく動かす。

簡単にできるマッサージですので、入浴中など、リラックスしているときに行ってみてください。

ニッコリ笑って魅力的な口元へ

お口は、食べるだけでなく、話す、表情をつくるなどコミュニケーションにも関係する大切な役割を担っています。

使わないお口の筋肉は退化し、顔の筋肉や口もとが下がり老け顔になってしまいます。

口から体の老化は始まる、といわれるほど、お口の健康が全身に与える影響は大きいのです。

よく食べ、よく笑いましょう。そうすれば、唾液は増えます。そして、早めの医療機関の受診を心がけましょう。

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