あせもは冬にも発症する!冬にも起こりやすいあせもの原因と対処方法

夏になると背中や首周りなど、「あせも」の痒みに悩む人も多いのではないでしょうか。しかし冬の時期の乾燥から「あせも」が発症する事もあるのです。

我慢できずについ、爪でガリガリとかいてしまう事もありますが、実はそれがあせもを悪化させている原因です。

場合によってはその行為が「とびひ」を引き起こし、家族や周りの人に感染させてしまいます。

赤ちゃんから大人まで、あせも対策をどのようにするべきなのか、できてしまったあせもはどのように治療すべきなのかをご紹介します。

ただの「あせも」と油断は禁物!気をつけるのは夏だけじゃない

私達が「あせも」と呼んでいる、痒くて赤いブツブツ。

特に夏は汗をかくことで背中や首周りなどにできる事が多く、汗をかくとチクチクと痛む事もあり、毎年、痒みや痛みに悩まされる人もいると思います。

「あせも」と聞くとそれほど大した事がないような印象を受けますが、医学的に通常のあせもを「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」と呼び、炎症が悪化した場合、皮膚に跡が残ってしまったり、触る事で他の人にも感染してしまう「とびひ」を引き起こす事もあります。

「とびひ」についても後ほど詳しく触れたいと思いますが、まずは「あせも」の原因についてご説明します。

「あせも」ができる主な原因

私達の皮膚の奥深くには、「汗腺(かんせん)」と呼ばれる汗を分泌する為の腺があります。

分泌された汗は「汗管(かんかん)」を通じて、汗の出口である「汗孔(かんこう)」から外に排出されるのですが、あせもは大量にかいた汗が皮膚の中にたまってしまい、炎症が起きる事で発症します。

汗が皮膚の中でつまってしまい、外に排出されない事であせもが発症する為、汗をたくさんかく夏に多く見られるのはその為です。

夏以外にも汗をかく事があれば季節を問わず、あせもが発症する事があります。

例えば、ジムなど高温多湿の環境で運動をした場合、体を温めようと通気性の悪い衣類を身につけた場合など、あせもにつながるきっかけは、季節を問わずあるのです。

「あせも」を悪化させる「黄色ブドウ球菌(おうしょくぶどうきゅうきん)」

私達の身の周りには、たくさんの細菌が存在しています。

細菌と聞くと、あまり良いものには思えませんが、細菌は私達の喉や耳の中、鼻の中、皮膚、あらゆる場所に存在し、特に腸内には皆さんが知っているビフィズス菌など数100種類の細菌が住み着き、病原体から私達の体を守る役割もあります。

肌や体が健康的な状態であれば、体のバリア機能が働き、これらの細菌は悪さをする事ができません。

しかし、疲れやストレスなどにより免疫力低下した場合には、バリア機能も弱まり、細菌の悪さを抑える事ができなくなります。

弱くなったバリア機能をくぐり抜け、菌が過剰に増殖する事で、肌荒れや体調不良などに悩まされてしまうのです。

数ある細菌の中でも注目したいのが、あせもと深く関係している「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる細菌です。

この細菌は「常在細菌」として常に私達の体に存在し、通常であれば悪さをする事なく共存できる細菌なのですが、黄色ブドウ球菌は「汗」をエサとしているので、汗をたくさんかいたり、汗をかいてそのままの状態にしておいた場合に、増殖してしまいます。

普段は害を及ぼさない細菌も、過剰に増殖したり、疲労などにより免疫力低下している場合には、あせもを引き起こす原因につながってしまうのです。

「あせも」は痒い!でもかかないで!

あせもができると、つい痒いところをポリポリとかいてしまう事があると思います。
このポリポリが、さらに黄色ブドウ球菌を増殖させる原因です。

あせもは少なからず、皮膚が炎症を起こしている状態なので、その部分を爪でかいた場合、黄色ブドウ球菌がさらに増殖し、悪化してしまいます。

さらにその部分をかいた手で他の部分に触れた場合、他の部分にも黄色ブドウ球菌が広がり、あせもの範囲も広くなります。

爪だけではなく、衣服がこすれた場合にも同じような症状が起こります。

「あせも」の原因となる汗を抑えたい!でも汗をかく事は大切な事!

汗が黄色ブドウ球菌のエサになるのなら、汗を抑えればいい!確かにそれも一理あるのですが、汗は人が生きていく上で大切な役割があります。

それは「体温調整」です。

この体温調整ができなければ、どんどん体温は上昇して脳に影響を及ぼし、様々な体の不調が起こる自律神経失調症や免疫力低下による病気、最悪は命の危機につながる可能性があるのです。

体温調整には、体のほとんどの場所にある「エクリン腺」の働きが大きく関わっており、エクリン腺は私達の体に多い人で約500万個、平均で約350万個存在します。

このうちの約半分から、体温が上昇した時に成分99%が水分とされる汗が出て、体温が上昇し過ぎないように調整します。

このように体温調整の為に汗が出る事を「温熱性発汗」といいます。

私達の体は、体温を37度前後に保つ事で免疫力が上がり、病気になりにくいとされていて、42度を超えると体内のタンパク質が凝固し、生命維持ができなくなってしまうと言われています。

汗は女性にとって、メイク崩れやヘアスタイルにも影響がでるので、できればかきたくないものですが、生きていく上で汗をかくことは重要な事なのです。

緊張やストレスでも汗をかく理由

体温調整の時だけでなく、緊張した時やストレスを感じた時にも、エクリン腺から汗が出ます。

このように、交感神経が活発になって汗が出る事を「精神性発汗」と言います。

緊張したり、ストレスを感じた時に、交感神経が外部からの刺激と判断し、身体を守る為に心肺機能を高めて血圧上昇や心拍数を増加させる働きがあります。

その際に、発汗作用も活性化される為に汗をかくとされています。

これは一時的なものが多く、緊張やストレスが解けると発汗作用も落ち着くのが特徴ですが、日常の生活に影響が出る程の汗の量が出る場合は、自律神経の乱れや、甲状腺ホルモンの異常なども考えられます。

もし、汗のかき方や汗の量に不安を感じた場合は、皮膚科や内科などの医療機関を受診する事をおすすめします。

肌の乾燥と「あせも」は無縁!そんな事はありません!

「あせも=夏」というイメージが多く、汗をかかなければあせもにはならない、影響はないと思っている人も多いと思いますが、肌の乾燥を引き起こす冬にも、あせもは要注意なのです。

寒い季節になると肌が乾燥しますが、これは寒さにより体温が下がる事で血行不良になり、肌に栄養が行き渡らなくなってしまう事、ストレスや加齢などの影響で肌のバリア機能が弱まってしまう事などが原因と言われています。

乾燥肌は外部からの刺激を受けやすく、肌トラブルが起きやすい状態です。

本来、健康的な肌は水分を保ち、古い角質を排除して新しい肌を再生できるのですが、乾燥肌はそのリズムが乱れている為に、古い角質が排除されずにどんどんたまり、汗腺をつまらせてしまう事があります。

汗腺がつまってしまうと、汗が外に出られなくなる為、あせもができやすくなったり、悪化させたりしてしまうのです。

季節を問わず「あせも」は発症します

季節に関係なく、運動をしたり高温多湿の環境で汗をかく、緊張やストレスで汗をかく、肌が乾燥する事で汗腺をつまらせるなど、あせもを発症する機会はたくさんあります。

しかし、汗をかくという事は、私達が生きていく上で必要な事なので、いかにこの汗とうまく付き合っていくかが大切です。

次にあせもを発症させない為の対処法と、発症した場合にどうするべきなのかをご説明します。

汗をかきやすい部分はしっかり対策を!

赤ちゃんも大人も、あせもができる原理はほぼ変わりませんが、あせもができる場所が多少、違います。
まずは、それぞれどんな場所にあせもができやすいのかをご説明します。

【 赤ちゃんの場合 】

  • おでこ
  • 胸付近
  • 脇の下
  • お腹
  • ひじの内側
  • 足の付け根
  • 膝裏

など

赤ちゃんは小さい体でありながら、汗腺の数は大人とほぼ一緒なのです。

大人と同じくらいの数の汗腺が、体の表面積の小さい赤ちゃんにあるという事は、汗腺の密度が高くなります。

さらに赤ちゃんはオムツをしている上に、基礎代謝が大人よりも良いので、なおさら汗をかき、あせもになりやすい場所も、大人より多くなります。

赤ちゃんは暑くても汗をかいても、自分で対策できません。大人が気づいて予防してあげる事が重要です。

【 大人の場合 】

  • 胸元
  • ひじの内側
  • お腹
  • お尻
  • 膝の裏側

など

近年、異常気象による猛暑や節電の影響で、汗をかく機会が増えた為、あせもに悩む大人が増えているといいます。

特に長時間、暑さの中で労働をする人に多く、すぐに汗をどうにかしたくても、仕事中でシャワーを浴びる事ができないなど、大人ならではの事情もあります。

また、女性はブラジャーの紐部分やアンダーバストの部分、ガードルなどを身につける事によりお腹やお尻に汗をかきやすく、こまめに汗を拭き取りにくいのも原因の1つです。

赤ちゃんのあせも対策は肌着から

肌着の素材にもいろいろありますが、暑い時期は特に、できれば木綿素材のコットンやガーゼ生地のものを選んであげましょう。

赤ちゃんは汗をたくさんかくので、汗を吸収しやすく、吸収した汗を溜め込まずに放湿してくれる素材が最適です。

オムツや肌着はこまめにチェック

今の紙オムツは吸収力が優れているので、長時間キープできるものが多く見られ、うんちの時はすぐ取り替えても、おしっこの時は「あと数回、大丈夫かな」と様子を見てしまう事もあるかもしれません。

しかし、ギャザー部分のお腹や足の付け根部分は常に赤ちゃんの肌に触れる事でムレやすく、あせもが出やすくなります。

それだけではなく、おしっこを吸収したオムツを長時間そのままにしておくと、尿路感染症になり高熱が出たりする事もあります。

肌着も通気性が良いから、と油断せずに、汗をかいたなと思ったらこまめに取り替えてあげましょう。

室内での厚着に注意

赤ちゃんに風邪をひかせてはいけない!と思うと、どうしてもあれもこれもと着せてしまいがち。

しかし赤ちゃんの体温は高いので、厚着をさせられると季節を問わず、汗をたくさんかいてしまい、あせもを引き起こします。

生後間もなくは、ママが着ている枚数プラス1枚と言われていますが、生後1ヶ月を過ぎたらママと同じ枚数、3ヶ月を過ぎると汗腺の機能が発達するのでマイナス1枚で良いとされています。

冬は確かに寒いのですが、エアコンやストーブなどで室温をガンガン上げて、さらに赤ちゃんに厚着をさせてしまうのは、あせもを引き起こす原因にもなりますし、自分で暑いと言えない赤ちゃんにはかわいそうです。

赤ちゃんの顔が真っ赤になっていないかなど、様子を見ながら服装や室温を調整してあげてください。

室温調整にエアコンも必要

赤ちゃんにエアコンは悪影響だと感じるママ達もいると思いますが、ここ数年の夏の暑さや冬らしからぬ暖かさに異常を感じる事もあります。

赤ちゃんに直接、エアコンからの風をあてないように配慮しつつ、エアコンの風量設定やドライ機能などを上手く使って、暑すぎる室内環境を作らないようにしましょう。

お湯の温度は38度で清潔に

赤ちゃんの肌は汗や皮脂が多く分泌され、あせもができやすい状態なので、お風呂で清潔にしてあげる事が大切です。

夏は38度程度、冬は40度程度が温度の目安とされており、タオルでゴシゴシ洗わなくても、軽く汗を拭き取ってあげる程度で十分、あせもを防ぐ事ができます。

もしあせもができている場合は、温度が高いと刺激になり、痒みを増してしまうので、38度程のシャワーで洗い流すか、湯船に入るにしても短めの時間にした方が良いかもしれません。

シャワーで洗い流す際は、水圧を強くしたり同じ部分にシャワーを当て続けたりしないようにしましょう。

また、冬は脱衣所や風呂場の周辺を温かくしておくなどの配慮をして、お風呂と室温の差が大きくならないようにしてあげてください。

大人のあせも対策!汗を拭き取る習慣を!

汗をかいて、そのままにしておく事があせもを発症、悪化させる原因です。汗をかいたなと思ったら、できるだけ早くシャワーで洗い流しましょう。

しかし、外出時にシャワーで洗い流すという事は難しいので清潔なタオルやハンカチを持ち歩き、まめに拭き取るように…と言いたいところなのですが、ゴシゴシ拭き取ったり、汗を拭き取ったタオルやハンカチでまた別な箇所の汗を拭き取る、といった行為はあせも対策として最適とは言えません。

汗を完全に拭き取る為に、タオルやハンカチを水で濡らして持ち歩く、というのも現実的ではないかもしれません。

家などで対策する場合には、シャワーを使用したり、清潔な濡れタオルでこまめに汗を拭き取る方法がオススメですが、外出時は、ドラッグストアなどで売っている、ウエットティッシュを活用しましょう。

ただし、ウエットティッシュには香料や除菌作用など、肌の刺激となるものを含んでいる事が多いので、水の成分を多く含んだ刺激の少ないウエットティッシュを使用しましょう(赤ちゃんのお尻拭きによくあります)。

お風呂やシャワーはぬるめの38度前後で

赤ちゃんの肌はともかく、大人の肌は丈夫だから熱めのお湯で大丈夫!それは違います。

大人の肌も、熱いお湯は皮膚のバリア機能を低下させたり、皮膚を保護する為の最低限の皮脂すら排除してしまいます。

また、高温のお湯で洗ったり水圧を強くすると、肌には刺激になり、痒みが増したり、あせもを悪化させてしまいます。

シャワーの際は温度と水圧に注意しましょう。

肌に優しい石鹸とタオルで体を洗う

体を洗う際に手軽なボディーソープを使用している人が多いと思いますが、できれば石鹸を泡立てて、ナイロンタオルではないものを使用して体を洗う事がオススメです。

ボディーソープは、ただでさえ肌の皮脂を洗浄する力が高い上に、つい数回プッシュして必要以上の量を使ってしまいがちです。

肌を守る為に必要な皮脂や角質などを落としすぎてしまわない為にも、肌に優しい固形石鹸を軽く泡立てて、綿素材などのタオルを使うのが良いです。

特にあせもができている時は、なおさら刺激を与えてはいけないので、普段から固形石鹸を泡立てて肌に優しい素材のタオルで、こすらず、なでるように洗う癖付けをしましょう。

部屋の室温や湿度に注意

節電の為に暑くてもエアコンをつけないで我慢したり、湿度が高くても除湿しないで寝たり…。

寝ている時に人はコップ1杯程の寝汗をかくと言われています。

それ程、汗をかいているのに暑い夏に温度調整や湿度調整をしなかったり、逆に冬は寒いからと過剰に部屋を温めてしまったり、うまく室内温度や湿度が調整できなくなっている為、大人でもあせもに悩まされてしまいます。

理想的な室内の温度として、夏は25度、冬は18度、湿度は50%から60%が理想とされています。

肌着やパジャマを見直して!

肌着を着用する事で、下着が透けないように隠したり寒さ対策ができたり、もちろんその役目もありますが、汗対策に肌着はとても重要な役割があります。

衣服を着るときに中に肌着は身につけないという人もいるかもしれませんが、衣服が直接肌に触れ、汗で濡れた場合に乾きにくい為、衣服を身につけている間はずっと汗が密着している状態です。

さらに動いた時などに衣服の摩擦で肌を傷つけ、そこから菌が繁殖し、あせもを悪化させてしまう事もあります。

それを防ぐ為にも、これまで直接、衣服を着ていた人は極力、肌着を身につけるようにし、肌着は汗の吸収性に優れ、放湿機能のある肌着を選ぶようにしましょう。

また、寝る時にパジャマではなく、スウェットやジャージなどを着て寝る人もいると思いますが、あせも対策や快適な睡眠の為にも、ぜひパジャマを着て寝る事をオススメします。

スウェットやジャージなどは、寝る時の事を想定して作られてはいないので、汗を吸収できずに熱がこもりやすい特徴もあり、寝る時に着るのは適しません。

パジャマを選ぶ際にも、汗をよく吸収してくれて放湿の機能もある「綿」や「シルク」がオススメです。

毛穴をふさぐ制汗剤はしっかり洗いながして!

汗や臭いを抑える為に、制汗剤を使用している人も多いはずです。

確かに女性にとっては身だしなみの1つとして使いたい優秀なアイテムですが、制汗剤の仕組みとして、汗から菌が繁殖しないように汗腺をふさいで汗が出ること自体を抑えます。

臭いを抑える機能が優れているものは特に、肌や毛穴に成分がピッタリくっついて、毛穴をふさいでいるので、汗をかいた時に排出されずに毛穴づまりを起こしてしまう事があります。

毛穴づまりを起こすと、あせもやニキビを発症しやすくなってしまいます。

かといって、エチケットとして制汗剤が必要な場面が多々あり、使用する頻度を減らせないというのが現状ですよね。

入浴の際、シャワーだけで済ませている人は湯船に浸かる事で毛穴を開き、毛穴づまりを改善する事ができますので、湯船に入る機会を増やしてください。

アルコールは控える

アルコールを大量に飲んだ翌朝に、寝汗をたくさんかいていた、という経験はありませんか?

アルコールにはアセトアルデヒドなど、体にとって有害な物質も含まれている為に、体がその有害物質を汗として排除しようとするので、アルコールを大量に摂取するとその分、大量に汗をかくのです。

大量に汗をかくということは、あせもができる、あせもを悪化させる可能性がグンと高くなりますので、アルコールの多量摂取には気をつけましょう。

辛い食べ物も控えめに

辛いものには、カプサイシンという辛味成分が入っています。

カプサイシンには体温を上昇させたり、発汗作用を促す効果がある為、ダイエットにも多く用いられていますが、発汗作用があるという事は、やはり汗が関係してくるので、毛穴づまりを起こせばあせもにつながる可能性は多いにあります。

過剰に食べすぎない事、食べた後に汗をかいたらできるだけ早くシャワーを浴びる事、汗を拭き取る事を意識して摂取してください。

かきむしる事で「あせも」から「とびひ」へ!

あせもができると、かいてはいけない、清潔にする、など対策はわかっていても、ついかきむしりたくなりますよね。

しかし、かきむしる事で汗をエサとするブドウ球菌がさらに繁殖し、悪化する事で接触感染する「とびひ」につながってしまいます。

「とびひ」は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と呼ばれ、あせもからだけではなく、虫刺されや傷口から「とびひ」に代わる事があります。

また、かきむしった手で他の部位を触る事で、触れた部分にも移り、強い痒みを伴い、あっという間に広がっていきます。

「とびひ」は原因菌の違う2種類がある

名前のごとく「飛び火」のように、あっという間に広がるとびひには2種類あります。

痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)

痂皮性膿痂疹の原因菌は主に、溶連菌の一種である「A群β溶血性連鎖球菌」とされています。

このA群β溶血性連鎖球菌もブドウ球菌と一緒で、普段は悪さをせずに私達の体にいる常在菌です。

季節を問わず、肌のバリア機能が低下している時や、アトピー性皮膚炎の人に多く感染が見られ、この菌に感染した場合、皮膚に水ぶくれができ、赤いかさぶたになります。

痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)は、子供よりも大人が発症する事が多く、発熱や喉の痛みなど風邪の症状にも似た状態になる事があります。

水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)

水疱性膿痂疹の原因菌は主に「黄色ブドウ球菌」とされています。

一般的に、あせもや虫刺されからとびひになるのは水疱性膿痂疹の方で、かきむしる事で傷口から菌が増殖し、水ぶくれや膿がたまる事でできる、膿疱(のうほう)ができ、広がっていきます。

その水ぶくれや膿疱は爪はもちろん、衣服にこすれただけでも簡単に破けてしまい、破けた後は皮膚がただれた状態になり、周りが赤くなります。

とびひはインフルエンザなどとは違い、くしゃみや咳などで他の人に空気感染する事はありません。

ただし感染力が強く、とびひ部分に触れた手で他の人の皮膚に触れたり、タオルを共有したりする事で接触感染してしまいます。

とびひができた場合は、触らず、他の人との接触は控え、家族や他の人に移さないようにしましょう。

とびひが完治するまでに約1週間かかります

とびひは、菌に感染してから約2日後から10日の潜伏期間を持ち、症状が出始めます。

体調や環境によって、潜伏期間や完治までの時間には個人差がありますが、発症してから約5日〜7日は、感染する可能性が高く、水ぶくれなど患部の傷が治るまでにそのぐらいの日数が必要とされます。

とびひを移さない為の対処法

まず、感染を広げない為にとびひによる水ぶくれや傷口をガーゼで覆います。

絆創膏は手軽なのですが、絆創膏は蒸れやすく、とびひを覆う事で菌の増殖につながる可能性があります。

また、家族内で接触や感染の機会が特に多くなると思うので、とびひに触れない事はもちろんですが、衣類やタオルなどにも十分、注意しましょう。

初期の段階であれば、市販薬も効果がありますが、やはり、とびひの完治には皮膚科で処方される薬がオススメで、治りも良いです。

ただし、塗り薬を塗る際には、手洗いをしっかりして、とびひの部分をシャワーなどで流して清潔にしてから塗る事が感染を広げないコツです。

体の免疫力が落ちても、とびひが治りにくくなります。疲れを感じた時は、しっかり体を休ませる事も完治までの期間を早めるのに必要な事なのです。

とびひの原因となるあせもを作らない為に摂取したい食べ物

あせもの痒みに悩まされたり、悪化させる事で他の人に移してしまわないように、体の中からも対策をしましょう。

ゴボウにはあせもに良い成分が豊富

ゴボウには、たくさんの成分が含まれており、その中にはあせもに効果的な成分もいくつかありますのでご紹介します。

「セルロース」と「リグニン」
これらは水に溶けない不溶性食物繊維なので、腸の動きを活発にしてくれることで便や体に不要な物質を排出し、腸内の環境を整えます。腸内の環境が整うと、肌づくりにも良い影響が出てくるので菌に強い肌づくりができるようになります。
ポリフェノールの一種である「タンニン」
ゴボウに含まれているタンニンが持つ収れん作用により、過剰な汗を抑えたり、肌を引き締める効果があります。また、消炎作用もある為、あせもを治す為に有効です。
「サポニン」と「アクチゲニン」
菌と戦う為の免疫機能を作る細胞を活性化させ、あせもなどの肌に起こるトラブルを和らげてくれます。

青魚の脂肪酸が早期治療のカギになる

青魚には脂肪酸を含んでいるものが多く、その脂肪酸があせもを治すスピードを早めてくれるとされています。

ぜひ、予防と改善にマグロ、イワシ、サンマ、アジ、サバなどの青魚を食事に取り入れてみてください。

ビタミンA、C、E(ビタミンエース)で強い肌へ

あせもによる強いかゆみを抑えたり、健康的な肌をつくるのに効果があるとされるビタミンA、C、E。

それぞれ単独で摂取するよりも、この3つを組み合わせると、栄養素の吸収率が高まると言われており、ビタミンACE(エース)とも呼ばれています。

ビタミンAを多く含む食材
ニンジンやブロッコリーなどの緑黄色野菜、ブルーベリー、レバー、ウナギなどがあげられます。
ビタミンCを多く含む食材
主にレモンやキウイフルーツなどの果物に多く含まれており、ビタミンA同様、ブロッコリーやパプリカなどの野菜類にも含まれています。
火を通さずに摂取する事で、抗炎症作用や消炎効果が期待できるので、野菜と果物をサラダ風にして摂取するのも良いですね。
ビタミンEを多く含む食材
アーモンドなどのナッツ類や、ウナギやサバなどの魚類、カボチャやほうれん草などの野菜類があげられます。

ビタミンEは、毛細血管を拡張する作用により、栄養素や血液が肌に行き渡り、肌荒れを予防・改善してくれます。

食生活を見直す意味でも、上手に少しずつ青魚や緑黄色野菜、果物類を取り入れていきましょう。

妊婦さんに多い突然のあせも

今まであせもに悩んだ事がなかった人でも、妊娠を機にあせもが出るようになって、かゆみも止まらない…という症状に悩まされる例も多々あります。

なぜ妊婦さんにあせもが発症してしまうのかをご説明します。

女性ホルモンが体温を高温にする

これまで、汗が主な原因としてきましたが、妊婦さんは女性ホルモンの影響も大きくかかわってきます。

女性ホルモンの影響で、妊娠を維持する為に体温を高く維持する働きや、代謝を良くする働きにより、激しい運動をしなくても汗をかきやすい状態になります。

普段から体温が高くなるので、暑さを感じる事にも鈍くなってしまい、汗をかいた後のケアが遅れてあせもになる事もあります。

高温が続く状態は、安定期を迎えると徐々に落ち着いてきますが、それまでの期間にあせもに悩む人が多いとされています。

妊娠中は肌が敏感になる

妊娠すると、よく化粧品が合わなくなった、湿疹がでやすくやったなど、肌の変化に悩む人が増えます。

これは、ホルモンバランスが変化した事で、肌が敏感肌になってしまったからです。

女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)は妊娠を維持する為には重要なホルモンではありますが、バランスによっては肌トラブルを引き起こしてしまうホルモンでもあります。

生理前にニキビができるなどの症状にも、このプロゲステロンが関わっています。

敏感肌になると、肌のバリア機能が低下しているので、菌に弱く、あせももできやすくなってしまいます。

食生活や睡眠障害による影響

妊娠中は、つわりや過食による食生活の変化、ホルモンバランスが乱れる事による睡眠障害でよく眠れないなど、体調や肌に悪影響を及ぼす状況になりがちです。

この影響で、肌のバリア機能が低下して菌に感染しやすくなります。

脂肪の増加が影響

妊娠すると体が栄養を保持しようと、太りやすくなり、お腹やお尻、乳房などが大きくなります。

サイズアップすると、下着による締め付けで汗がたまったり、腹帯などによる蒸れなどが起こり、あせもを引き起こします。

妊婦中の汗対策で心がけたい事

ホルモンバランスの影響で、体温が上がる事により、汗をかきやすい状態なので、汗をかいたらできるだけ早くシャワーを浴び、シャワーを浴びる事が難しければ、濡れタオルやウエットシートなどで早めに汗を拭き取りましょう。

下着や服などの身につけるものも、汗の吸収性、放湿性のあるもの、通気性の良い素材のものを選び、汗で汚れた場合は着替えるようにしましょう。

また、締め付けもあせもには良くないので、腹帯は締め付けすぎず、下着もスポーツブラのようなワイヤーの入っていないものを選んだ方が良いでしょう。

汗をかいた後のケアや身につけるものも大切ですが、あせもを予防するにあたって意外と盲点なのが髪の毛です。

髪が首や背中、顔に当たる事で刺激になり、肌荒れを引き起こしてしまいます。

できるだけ肌に触れないように、前髪をピンでアレンジしたり、長い髪はまとめるなどの対策をしましょう。

妊婦さんは特にあせもの自己判断はしないで!

市販薬でも、あせもに効果的なものは販売されていますが、妊婦さんの場合、肌がデリケートな上に、配合されている成分が赤ちゃんに影響してしまう事も考えられます。

かゆみがひどい、あせもの範囲が広い、なかなか治らないという場合は、できるだけ早く皮膚科を受診してください。

あせもに効果的とされる薬の成分

あせもをすぐに治したい場合、ドラッグストアで手軽に薬を購入し、早めの対策をしたいですよね。その場合、どんなものを選んだら良いのかをご紹介します。

また、あせもの症状がひどい、治らない場合は、やはり皮膚科で処方される薬が効果を発揮しますので、皮膚科でどのような薬が主に処方されるのかもご説明します。

軽いあせもにはローションタイプ

代表的なものに「桃の葉」を配合したローションタイプがあります。

桃の葉には抗炎症作用があり、昔から薬草として扱われ、体にできた腫れ物などに桃の葉を絞って塗りつけたり、お風呂に入れるなどして使われてきました。

副作用がほとんどなく、保湿効果もあり、子供から大人まで安心して使えて、あせものかゆみを抑えたり、炎症を鎮めて治します。

特に早い段階での使用が効果的です。

肌が弱い人や赤ちゃんに「酸化亜鉛」

症状が軽い場合や、肌が弱い人、アレルギーがある人は酸化亜鉛を配合した塗り薬がオススメです。

これは非ステロイド系なので、刺激が少なく、皮膚を守りつつ炎症を和らげる効果があり、赤ちゃんにも安心して使用できます。

ステロイド系の塗り薬に比べると、効き目は緩やかですが、あせもに効果のある成分の1つです。

ひどいあせもには適量の「ステロイド」が効果的

ひどい痒みが起こっている場合、早くなんとかしたい!という人にはステロイド系の軟膏が効果的です。

ステロイドと聞くと、怖いものというイメージがありますが、ステロイドは症状を和らげる事に優れており、早く治す事ができるので、初期の段階であればあせもが悪化する前に治す事ができます。

既に悪化したあせもにも、それ以上、悪化しないようにと食い止める事に使用され、痒みによるストレスも和らげる事ができます。

強力な抗炎症作用により、早い完治が望める反面、長期で使用したり大量に塗る事で、菌と戦う為の免疫力を低下させてしまう事があり、細菌などに感染しやすくなる可能性もあります。

ステロイドは通常であれば数日から1週間程で効果が見られますので、1週間使用しても治らない場合は、皮膚科で相談してください。

副作用が怖くてひどい痒みも我慢する、という人もいるかもしれませんが、ステロイドの強さを使用する部位で使い分けたり、用量と用法を守れば、怖いものではないので、掻きむしる程の痒みでイライラしたり悪化させる前に薬剤師さんや皮膚科に頼ってみましょう。

一家に1個の「オロナイン」はあせもに良いの?

万能薬として知られ、一家に1個あるのでは?という程、名が知られているオロナイン。

あせもが出た時にも利用している人も多いようです。

しかし効能として、にきびや吹き出物、やけど、しもやけ、水虫などのあらゆる症状があげられる中に、あせもはありません。

それでも効果があると感じる人がいるのは、恐らく早い段階で使用した事により、肌の炎症がオロナインによって抑えられているからだと思います。

とはいえ、湿疹(ただれ、かぶれ)には使用しない事と用法に記載がありますので、値段が手頃で万能薬である事、殺菌効果に優れている事から、ついあせもにも使ってしまいますが、あせもには専用の市販薬や皮膚科で処方された薬を使うようにしましょう。

塗り薬の効能を生かしきるために

患部と手が汚れたまま薬を塗っては、薬の効能を生かしきれません。菌が広がってしまいます。

  • 患部をシャワーやお風呂で清潔にし、薬を塗る際には手もしっかり洗う
  • 日常でよく使う手のひらに塗り薬をとるのではなく、手の甲にとるようにする
  • こすらず、薄く均等に薬を塗る
  • 塗り薬のほとんどが「室温温度(1度〜30度)」で保存する事が適している

早くあせもを治す為にも、上記を守り、市販薬の用量・用法をしっかり守って使用しましょう。

市販薬の長期利用はせずに皮膚専門医へ!

市販薬で数日から1週間程、様子を見ても症状が改善しない場合、長期で使用する事であせもが悪化する恐れや、あせも以外の皮膚の病気である可能性もあります。

また、長くあせもに悩まされると、つい爪でかいてしまい、菌が繁殖し、とびひになってしまう可能性もあります。

とびひになってしまうと、周りの人にも移してしまう事になるので、ひどくなってしまう前に皮膚専門医での治療をおすすめします。

また、いつも爪は短くする、汗をかいたらシャワーで流すなど、生活習慣の中で見直しできる所は早急に見直しをして、あせもに悩まされる事のない健康的なお肌を保ちましょう。

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